斜面の安定計算。 簡単なようで奥が深い。 最近では3次元、疑似3次元など高度な解析方法もありますが、正直、現実の斜面にフィットさせるのは不可能で、結局、自己満足の世界なんだろうと思います。 多額のコストをかけて3次元解析して設計しても、たいして変わり映えの ...
カテゴリ: 斜面防災・法面・急傾斜地対策設計
鉄筋挿入工の応用事例(道路を走ってて気が付いた現場)既設構造物への補強工
鉄筋挿入工(切土補強土工)については、道路公団の高速道路で多用され、NEXCO総研、高速道路株式会社の基準書の制定、改定によって一般的な工法になり、小規模な崩壊対策といえば鉄筋挿入工(切土補強土工)が主流となっています。 そんな鉄筋挿入工ですが、新設法面工の ...
アンカー工のミステリーその2(受圧板の組合せと不規則な打設は苦労の痕か?)
前に紹介したアンカー工のミステリーとは少し異なったものですが、車の助手席から走行中に撮影したものですのでブレています。この写真のアンカー工は、吹付法枠工と枠内受圧板の構成となっています。 このような構成は、先に吹付法枠工∔アンカー工を施工して、その後、 ...
あなたには解りますか?このアンカー受圧板のミステリー(都市伝説でもあるのか?)
どこで見たのか忘れましたが、私の写真フォルダに入ってました。 車で走っていて、助手席の窓から何気なく見てた法面風景の中に突如として現れた違和感。 その正体が、コレでした。 グラウンドアンカーの受圧板で、現場打ちタイプのようですが、1枚だけ、変なのが入っ ...
緑化用の受圧板をモルタル吹付面に使用することはある(緑化性能はプラスアルファだから)
斜面、法面対策における抑止工(グラウンドアンカー,鉄筋挿入工など)の受圧板ですが、緑化性能を持った製品も多々開発されています。 その先駆けなのがグリーンパネルです。その後も各社、多数の製品があり、経済性だけで見れば物価版や製品販売価格表での比較になりま ...
グランドアンカー受圧板が文字通りゲタを履く変わった法面もあります(基本的な設計の考え方の説明も添えて)
グラウンドアンカー工は、地すべり地や大きな土圧が作用する土留め工などに用いられる抑止工の一種です。定着体と自由帳部、そして頭部に大別され受圧板などの構造物によって緊張固定されます。 細かいことは、「グラウンドアンカー設計・施工基準、同解説 JGS4101-2012 ...
法面工の施工不良は崩壊につながり安全性にかかわる(施工不良例から学ぶ)
工事では施工不良や品質偽装といった行為が発生することがありますが、法面工事においても同じように工事なので施工不良という問題はついてまわります。 その施工不良が故意だったか、不可抗力でそうなったかの議論は別物として、実際に施工不良によって施工した法面工 ...
鉄筋挿入工付き吹付法枠工の変状とその理由の考察事例(どう対応するかは原因想定が必要)
施工した法面工の現場で、稀に変状(損傷等)が発生し、それはどうしてか?どうするんだ? という話になりことがあります。 自然の山を相手にするので、時には上手くいかないこともあります。 そんなこと1回も無いよって人は恐らくいないか、経験数(経歴)が足りない ...
斜面調査(地表踏査)における樹木の根曲がりの確認や判断について
斜面調査における崩壊性の兆候で着目される事項として、最も目につきやすい樹木の根曲がりが挙げられます。根曲がりは読んで字のごとくなのですが、根が曲がっているというより根元が曲がっているというものです。私の経験と知識からで恐縮ですが、根曲がりを確認したとき ...
急斜面における表土や土砂層は急勾配なのになぜ崩れないのか
土砂の安定勾配は、道路土工指針などにも示されるとおり1:1.0~1:1.5となっています。 土砂の土質状況によって、あるいは高さによって勾配は最終決定されるものですが、この勾配は植生工等の簡易な法面保護を併用した場合と注記されています。 一方で、自然の山地斜面 ...
道路防災設計はバラエティに富んで全てを網羅してマスターするのはシンドイ
道路防災対策といっても、路線の付け替えやトンネル化といった抜本的な対策から局所的なリスクに対応するための対策まで様々であり、とても分野幅が広い。 私が専門とするのは後者の方で、局所的、あるいは特定の区間において落石や土砂崩壊等のリスクがある場所や、既に ...
景観に配慮が必要な場合の斜面防災設計は製品頼みになりやすい
我が国の国土は斜面(山地~中山間地)ばっかりです。国土の7割を占めます。 ですので、斜面防災というカテゴリーの仕事は絶えないわけです。 しかも、景観面で配慮が必要な公園や史跡等の斜面も例外なく崩れたり壊れたりします。 そんな時は可能な限り景観へ与える問 ...
急傾斜崩壊防災対策施設の設計は一見簡単そうに見えますが結構大変な作業です
私の業務案内にある急傾斜地崩壊対策工の設計は、民家の裏山などの危険斜面を対策するためのもので、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)を民家等の居住区域から外す(解除)事業になります。 「区域を外す=生命を守る」ということなので、正確には区域を外すのが目的 ...
斜面防災の仕事は基準はもちろん報告書に示す理屈がさらに大事
私が得意とする斜面防災系の仕事は、ほかの設計業務と同様に基準や指針に従って設計することが求められますが、もっと大事なことは理屈がとおっていることです。 何の理屈?と思われるかも知れませんが、斜面を相手にする仕事ですので斜面のことを根拠をもちつつモデル化 ...
現地踏査の重要性と価値ある整理の方法(付加価値をつけよう)
設計業務などで必ず仕様に入っている現地踏査ですが、現場を見て写真を何枚か撮ってきて終いにしているなんてことはありませんか? 歩掛では0.5×2人程度は入っているので、それに相応しい内容でないとなりません。 一番よく見るのが、現地の写真をいろいろと撮ってきて ...
切土補強土工法設計・施工要領の改定(R6.7)着目すべきところ
「切土補強土工法設計・施工要領 改定概要(令和6年7月版)」改訂版が出ました。 何が変わったか? ひとつは、「JIS規格改正に伴う防錆種別の表記の整合」で、あまり影響は無いと思います。 もうひとつが、「削孔方式の見直し」で、これは少々影響があるように思 ...
標準のり勾配と安定勾配は同義だが
道路や急傾斜地の法面設計を担当していると、必ずといっていいほど問題となるのが法面の勾配設定です。道路土工指針や設計便覧などには、土質(土軟硬)ごとの標準勾配としての表が示されていますが、この値をどう使うかが技術者としての技量にかかわってきます。 具体的 ...
スピードを要求されがちな斜面災害復旧設計等をスピードアップするコツ
近年、台風や梅雨といった気象条件に伴って線状降雨帯が発生し、斜面災害や洪水災害によって多くの被害がでています。 私は、これら災害によって被災した道路斜面や耕作地等の復旧設計業務の経験を多く積みましたが、災害復旧業務の特徴として、工期が短いことが挙げられ ...
土砂災害特別警戒区域レッドゾーン、土砂災害警戒区域イエローゾーン どっちも危険(そして色が付いていないトコも安全と限らない)
土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域がありますが、それぞれイエローゾーン、レッドゾーンと呼ばれます。 土砂災害特別警戒区域レッドゾーンは、文字通りレッド、生命の危機をもたらす可能性のあるエリアです。 土砂災害警戒区域イエローゾーンは、その外側にあるこ ...