今日は、姫路観光の中で見つけた「かご枠」を紹介します。
 
■姫路城の土塁に「かご枠」

 姫路城の土塁(国道2号沿いと書かれています)の端部留めに「かご枠」が使われているのを発見しました。
 姫路城を観光してJR姫路駅方面へ向けて商店街を歩いていると、右手に見慣れた構造物が見えました。
 あれ?
 なんでこんなところに??

 そう思って近づくと、平成27年に土塁を削って調査したらしく、その後を戻すのに「かご枠」を使ったみたいですね。
 発掘当時の写真も載ってました。

 しかし、道路側の石積みは、道路拡幅時に付けたんですね。
 元々は、全土塁だったということでしょう。

 学ばないと、知る由もない話かも知れません。
 学べて、儲けた!(笑)
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■「かご枠」

 斜面の末端などで立方体のカゴを階段状に積んで土留めて利用されることが多い構造物です。
 可撓性があり、中込材に発生土なども使えます。
 今回の場合、マット(緑色のシート)が入ってますので、発生土が入っているのでしょう。

 生コン打設が要らないので、土工中心の簡単な作業で施工ができます。
 小規模であれば、軽作業(最悪人力のみ)で可能です。
 型枠作業がないだけでも、かなりの少量化が図れます。

 そもそも、可撓性や透水性を要求される崩壊リスクのある現場であれば、かご枠や、鋼製自在枠、イゲタ擁壁などの柔構造であり、透水性を有する構造が必要になるので、現場打ちコンクリート擁壁は採用されにくいのですが。。。ね。
 
 今回紹介した現場の場合、文化財ですので、セメントで固める訳にはいかないでしょうから、このような構造を採用したと推察されます。
 もちろん、いざとなったら簡単に外して再調査できる構造です。
 コレ(再調査可能)がポイントかも知れませんね。


 ね、すごいでしょ?
 (なにが?(笑))

 なにがって、こんなところにも、防災技術が使われているんだから。
 すごいでしょ?
 そういう、観察眼が大切なのですよ。