「能登へ行ってきた」
 R7.5.26~R7.5.28出張

 出張の主目的を前置きしつつ、地震と豪雨災害の被災地である能登半島を見てきた感想を書きます。
 TVで見るのと、現地のリアルで感じる印象は全く違いました。

■出張目的

 設計業務を頂きましたので、その現場を発注元の担当者さんと一緒に見るというものです。
 そして、一部の計測を一緒にやって、状況を共有するということもしてきました。
 測る時に、自分も参加していると、イメージが確定するメリットがあります。
 発注元の担当者さんと一緒に作業することで、お互いの人間を知ることもできます。

 最近は、逢ったことも無い人と仕事が成立する世の中です。
 そして、顔を見た事ないけど、仕事は終わったなんてこともザラです。
 ですが、相手を知って仕事をする方が、コミュニケーション的に良い場合が多いです。
 
 それ以前に、
 もらった資料のみで設計すると、どうしても、不確かな部分でスッキリしないまま業務を終えることがあります。結構、多いです。
 そういうときって、だいたい現場施工が合わないなんてことになり易いです。
 なので、現場を見ない人に、現場の状況を伝える資料(技術)というのは、相当に難しい。
 そういった無駄なロスやミスを防止するには、現場を見ておくのが理想なのです。
 (遠方だと見に行くコストもかかるので行かない場合も多いですよ)

<要約すると>
 ・現場の細かい部分をこの目で見て作業を円滑化する。
 ・発注元の担当者の人とお互いを知ることでやり取りを円滑化する。

 そんな感じのことを目的にして、行って参りました。
 細かい現場の話は、問題になるので書けません(笑)
 少なくとも、行かないと解らなかったことが、いっぱいありました。
 行って、見て、良かったです。
 いい仕事ができそうです。
 (見ずにやるよりも)


■現地(被災地)を見た感想

 直接、現場の話は問題なので、町を見渡してきた感想です。  
 聞いた話と、自分の目でみたモノは、違うという事を再度認識しました。
 技術的話を期待していた人には恐縮です。

 実際に、町に入ると、やっぱり被害の凄さを肌で感じました。
 家は傾き、潰れ、更地になってしまっている区画も多い。
 信号や電柱は傾いたまま普通の生活に溶け込んでいる。
 信号や電柱等の傾きは、最初観た時、ギョッとしました。
 え!?これ、大丈夫なん?!て。

 そんなの、誰も気にしていません。
 それどころじゃないから?
 そうでしょう。
 家が壊れ、仕事も減って大変なのに、電柱が傾いているってのが何だって話でしょう。
 まとまった平坦地には仮設住宅がビッシリ建っています。
 駐車場や空き地など、まとまった平地を埋め尽くす仮設住宅。

 そんな街中の状況を見ていると、
 曲がった電柱、信号を直す時間あったら、他に直すとこ山ほどあるだろ?
 って、感じじゃないかと思いました。
 事実、傾いてても、普通に使えています。
 痛んでも使えているモノは、最後の方に直せばいいという考えでしょう。
 使えなくなっているインフラや、道路斜面、河川護岸などの防災工事。
 急いで直していかないと。
 もちろん、住居もです。
 また、雨期が来ます。
 台風が来ます。
 それらへの対応の方が、急務なのだろうと感じました。
 河川はあちこちで護岸が消失し、大型土のうでの仮設護岸ばかりです。
 大型土のうの耐久性を考えると、急がないとなりません。
 優先順位がちゃんと出来ているようにも思いました。

 街中で、そんな被災写真を撮影するのも失礼な気がして、写真は撮っていません。
 街から少しだけ離れたマリンタウンの方で食事をしたので、その近辺の人が少ない場所で写真を撮らせて頂きました。
 この付近も、仮設住宅がたくさん建っていました。
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 空はとても綺麗でした。
 真っ青な青空で、空気も澄んでいました。
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 しかし足元をみれば地割れがあり、もう誰も気にすることもなく通過していきます。
 日常になってしまっているみたいです。
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 電柱が斜めに傾いています。
 斜めに見えるように写真を撮っているわけでは無いですよ。
 現地でみたら、もっと異様な風景です。
 誰も、気にしていません。


 能登半島西側の海岸線に出ると、隆起したことが一目瞭然。
 港が干上がっていました。
 これがTVでみた港・・・・。
 実際、この目で見ると、言葉も出ません。
 漁港内には海水なんて、どこにも無いです。
 むしろ、草が生えて、パッと見、漁港だったことが解りにくいくらいに。。。
 今、草地になっているところに、漁船がたくさん停泊していたはずなのに。。。
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 海岸線が、波打ち際が、果てしなく遠くなっています。
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 別の漁港も、なんとか小舟が出入りできる程度の状況。


 少しでも早く、復興しないと。
 そんな気になりました。
 少なくとも、私が受けた仕事は、特急でやります!
 少しでも、役に立てれば光栄です。
 
  
 何かできる人、何かで貢献できる人、それが仕事でもいいじゃないですか。
 みんながみんな、ボランティア活動に参加できる訳ではありませんから。
 いろんな立場の人たち、みんなで頑張りましょう。

 被災地の実情をこの目で見て、
 少し暗い気持ちになりかけましたが、
 気持ちを入れ替えて、さあ!がんばって参りましょう!