昨日の記事に書いた、五大力「五」「大」「力」の小石を拾って帰ったら、昨年から取引頂いている大手のお客様からクロスチェックの御依頼がありました。
これは、嬉しいことです。
嬉しかったので、照査に関する記事を書きます(笑)
■そもそも照査とは?なぜ照査が必要(重要)?
設計業務には照査(品質チェック)が義務付けられています。
資格(技術士など)を有した選任照査技術者により所定の段階で実施することが必須です。
例えば、
①計画書作成段階
②基本条件の整理段階
③細部条件検討段階
④成果品作成段階
と、いった区切りです。
この各段階で、照査報告書(チェックリスト)に記入します。
チェックリストはチェックした結果の総括であって、これが照査成果ではありません。
本当の照査成果は、照査対象ブツ(報告書など)に、黄色のマーカーを入れつつ、間違っている箇所等は赤ペンで書き込みをしたものです。
これが、赤黄チェックと呼ばれます。
そして、このブツこそが照査実施の証拠品となります。
中小コンサルタント会社では、証拠ブツの無い、リストのみ照査がまかり通ったりしますが、あれは照査ではありません。
もうひとつ、チェックした箇所が修正されたか?!
という重要な課題が発生します。
チェックはしたが、直されていない!なんてこともあります。
これを解決する手段として、青チェックが追加されました。
赤黄チェックした後、修正された成果品等を再度チェックし、指摘箇所が直っていれば青でチェックを入れます。
そう、赤黄青チェックです。
青まで入ってやっと完了なのです。
そこまでしないと、品質確保あるいはエラーを撲滅できないのです。
会計検査等で、大きな指摘を受け補修工事費を賠償しなければならない責任を負うよりも、ちゃんと照査をすることに注力したいと思うのが常道でしょう。
大手の建設コンサルタントさんは、照査に徹底してチカラを入れています。
これは、外注先として外の世界から各会社を眺めた私の経験です。
明らかに、大手さんは、凄いです。
照査、内容確認、詰め、手を抜きません。
瑕疵担保責任があるので、当然の流れでしょう。
最近では何億、何十億という賠償責任を負わされ、裁判になったりします。
安いクロスチェック費用をケチって、大損するのはバカらしいでしょう。
改めて、照査等の品質保持を徹底するという事は、当然の流れです。
■クロスチェック(照査)とは?義務では無いが需要は?
照査は、共通仕様書、特記仕様書で定められています。
最近では、照査技術者報告と言って、照査技術者本人が照査結果を発注者へ説明に上がる回数が指定されている場合もあります。
概ね1回~2回です。
なので、標準としての「照査」はやるのは当たり前なのです。
その状態、状況においても、やはりエラーが撲滅できないのです。
それは、照査技術者とて人間なのです。
すべてを網羅できる人間など居るはずがないのです。
そんなこんなで、標準の照査技術者による照査では不足していると懸念が出てきます。
これを解決する手段として関係者間によるダブルチェックがあります。
そして、それを更に進化させたのが、クロスチェックなのです。
【言葉の違い】
・ダブルチェックは同じ観点や方法で内容を再確認する。
例えば同じ計算をもう一度行うこと。
別の人にやってもらう場合も類似。
・クロスチェックは異なる観点や方法を用いて内容を確認する。
例えば異なる資料や手法を使って確認すること。
外部にお願いする場合は、当然、お金がかかります。
そうまでしてでも、品質確保、エラー撲滅をしたいのです。
前述の瑕疵担保責任を負う事を考えれば安いものなのです。
それからもう一つ、ISO品質マネジメントシステム等の認証取得や、技術提案書提出業務等ではクロスチェックの実施をルール化した場合もあり、その際は、義務となります。
受注者側から、自分でやるって言う形になりますので、当然ながら、やらなければペナルティになります。(業務評価点の減点など)
つまり、様々な角度からクロスチェックの需要が高まっているのが現状であります。
・品質確保、エラー撲滅、瑕疵担保責任
・企業価値の向上、受注機会の拡大等
ですが、クロスチェックする技術者が不足しているのです。
普段から業務にかかわってなく、照査技術者相当の技量。
なかなか社内には居ないのが現状です。
居るんですよ?技術者は。
そう、そっちに手を回してられる手が空いた人が居ないという意味です。
よって、外注なり、なんなり、兎に角クロスチェックしてもらえる人が欲しいのです。
大手はコストを掛けても構わないというスタンスです。
働き方改革等もあって、なかなか、社内でクロスチェック要員を確保できないのです。
そんな時、外注として細部を見れる(チェックできる)ヤツが居れば助かるのです。
ここにクロスチェック要員の需要が生まれてきているのです。
(注意)
上記は、あくまでも、私が昨年まで元請けに居た時の視点で書いていますので、全ての会社がそうかは不明です。
ただ、同じようなスタンスになるはずです。
ただし、できるか、できないかの違いは絶対にあると思います。
私の実経験では、なかなかクロスチェックは出来なかったです。
予算の壁がありましたから。(先の話と矛盾)
ですので、会社によって、その重みが違うのです。
私個人としては、銭を払ってでもクロスチェックしてもらうべきだと思います。
それを良しとしない組織も残念ながら、あるという事です。
人が居ない、予算が無い、しゃあない、また今度からだわ。。。。
ではダメだと思いますよ。
■ぶっちゃけ儲けは?
ぶっちゃけ、儲けという概念が無いのです。
私たちの建設コンサルタント業務は、人工、すなわち人の作業で作られるものです。
原価は人件費がメインとなります。
要するに、原材料の仕入れや流通コスト等が無いのです。
特に、ひとりで営んでいる個人事業主には販売管理費や共通経費なんてのが無い(細かく言えばあるが)あるいは売り上げに対しての割合が小さいのです。
よって、私の場合は、儲けと言うよりは収入という言葉が適切だろうと思います。
そういう観点で言うと、収入は、さほどありません。
照査ですので、設計された対象物の大きさ(規模)によります。
今回の案件ですと、斜面設計の1か所ですので、1日あるいは2日で終わります。
そう考えると、1~2人工(技術者1~2人分の直接人件費)の収入になります。
単価は。。。。言えません(笑)
そこは、想像にお任せしますが「技術者単価」ですので、そうは安くは無いです。
■なぜクロスチェックの依頼を受けると嬉しいの?
なぜ、クロスチェックの依頼があると嬉しいのか??
収入としては大したことないのに??
あなたなら、どうですか?
自分の会社の成果品などをチェックしてもらうのに、海のモノとも山のモノとも解らないヤツに頼みますか??
私なら、絶対に頼みません。
少なくとも、自分の会社で照査技術者を任せられるくらいの技術者でないと、頼めません。
私が頼むわけでは無いので真実は闇の中ですが、頼んでもらえたという事実は上記を鑑みると重たいと判断できます。
言わずもがな。
なのかも知れません。
ですから、少なからず、上岡地盤防災の上岡が、一定のレベルにあることを認めてもらえた可能性があるという事です。
よって、「嬉しい」となるのです。
決して、直接的な稼ぎは多くは無いです。
それよりも、一定レベルを認めてもらえた方が、将来の稼ぎに繋がる可能性が広がるのです。
だから「嬉しい」となるのです。
重ねて言いました(笑)
御指名頂いたお客様には、大変感謝申し上げます。
その期待に応えられるよう頑張ります。
これは、嬉しいことです。
嬉しかったので、照査に関する記事を書きます(笑)
■そもそも照査とは?なぜ照査が必要(重要)?
設計業務には照査(品質チェック)が義務付けられています。
資格(技術士など)を有した選任照査技術者により所定の段階で実施することが必須です。
例えば、
①計画書作成段階
②基本条件の整理段階
③細部条件検討段階
④成果品作成段階
と、いった区切りです。
この各段階で、照査報告書(チェックリスト)に記入します。
チェックリストはチェックした結果の総括であって、これが照査成果ではありません。
本当の照査成果は、照査対象ブツ(報告書など)に、黄色のマーカーを入れつつ、間違っている箇所等は赤ペンで書き込みをしたものです。
これが、赤黄チェックと呼ばれます。
そして、このブツこそが照査実施の証拠品となります。
中小コンサルタント会社では、証拠ブツの無い、リストのみ照査がまかり通ったりしますが、あれは照査ではありません。
もうひとつ、チェックした箇所が修正されたか?!
という重要な課題が発生します。
チェックはしたが、直されていない!なんてこともあります。
これを解決する手段として、青チェックが追加されました。
赤黄チェックした後、修正された成果品等を再度チェックし、指摘箇所が直っていれば青でチェックを入れます。
そう、赤黄青チェックです。
青まで入ってやっと完了なのです。
そこまでしないと、品質確保あるいはエラーを撲滅できないのです。
会計検査等で、大きな指摘を受け補修工事費を賠償しなければならない責任を負うよりも、ちゃんと照査をすることに注力したいと思うのが常道でしょう。
大手の建設コンサルタントさんは、照査に徹底してチカラを入れています。
これは、外注先として外の世界から各会社を眺めた私の経験です。
明らかに、大手さんは、凄いです。
照査、内容確認、詰め、手を抜きません。
瑕疵担保責任があるので、当然の流れでしょう。
最近では何億、何十億という賠償責任を負わされ、裁判になったりします。
安いクロスチェック費用をケチって、大損するのはバカらしいでしょう。
改めて、照査等の品質保持を徹底するという事は、当然の流れです。
■クロスチェック(照査)とは?義務では無いが需要は?
照査は、共通仕様書、特記仕様書で定められています。
最近では、照査技術者報告と言って、照査技術者本人が照査結果を発注者へ説明に上がる回数が指定されている場合もあります。
概ね1回~2回です。
なので、標準としての「照査」はやるのは当たり前なのです。
その状態、状況においても、やはりエラーが撲滅できないのです。
それは、照査技術者とて人間なのです。
すべてを網羅できる人間など居るはずがないのです。
そんなこんなで、標準の照査技術者による照査では不足していると懸念が出てきます。
これを解決する手段として関係者間によるダブルチェックがあります。
そして、それを更に進化させたのが、クロスチェックなのです。
【言葉の違い】
・ダブルチェックは同じ観点や方法で内容を再確認する。
例えば同じ計算をもう一度行うこと。
別の人にやってもらう場合も類似。
・クロスチェックは異なる観点や方法を用いて内容を確認する。
例えば異なる資料や手法を使って確認すること。
もっと嚙み砕くと、事情を知らない第三者に先入観を持たず確認してもらう等。
言うなれば、設計担当者がチェックして照査技術者がチェックするのがダブルチェック。
つまり、普通に、よくやっている作業です。
同じ組織でやっている場合が多く、類似の方向性でのチェックになりがちです。
そこに、社内でも、社外でも、何でも構いません。
普段から業務に全く関係していない、
照査技術者相当の技量を持った人に、チェックしてもらうのです。
何の先入観も持たず、成果品等をクロスチェックしてもらうのです。
これで多方向からの照査が行えます。
言うなれば、設計担当者がチェックして照査技術者がチェックするのがダブルチェック。
つまり、普通に、よくやっている作業です。
同じ組織でやっている場合が多く、類似の方向性でのチェックになりがちです。
そこに、社内でも、社外でも、何でも構いません。
普段から業務に全く関係していない、
照査技術者相当の技量を持った人に、チェックしてもらうのです。
何の先入観も持たず、成果品等をクロスチェックしてもらうのです。
これで多方向からの照査が行えます。
外部にお願いする場合は、当然、お金がかかります。
そうまでしてでも、品質確保、エラー撲滅をしたいのです。
前述の瑕疵担保責任を負う事を考えれば安いものなのです。
それからもう一つ、ISO品質マネジメントシステム等の認証取得や、技術提案書提出業務等ではクロスチェックの実施をルール化した場合もあり、その際は、義務となります。
受注者側から、自分でやるって言う形になりますので、当然ながら、やらなければペナルティになります。(業務評価点の減点など)
つまり、様々な角度からクロスチェックの需要が高まっているのが現状であります。
・品質確保、エラー撲滅、瑕疵担保責任
・企業価値の向上、受注機会の拡大等
ですが、クロスチェックする技術者が不足しているのです。
普段から業務にかかわってなく、照査技術者相当の技量。
なかなか社内には居ないのが現状です。
居るんですよ?技術者は。
そう、そっちに手を回してられる手が空いた人が居ないという意味です。
よって、外注なり、なんなり、兎に角クロスチェックしてもらえる人が欲しいのです。
大手はコストを掛けても構わないというスタンスです。
働き方改革等もあって、なかなか、社内でクロスチェック要員を確保できないのです。
そんな時、外注として細部を見れる(チェックできる)ヤツが居れば助かるのです。
ここにクロスチェック要員の需要が生まれてきているのです。
(注意)
上記は、あくまでも、私が昨年まで元請けに居た時の視点で書いていますので、全ての会社がそうかは不明です。
ただ、同じようなスタンスになるはずです。
ただし、できるか、できないかの違いは絶対にあると思います。
私の実経験では、なかなかクロスチェックは出来なかったです。
予算の壁がありましたから。(先の話と矛盾)
ですので、会社によって、その重みが違うのです。
私個人としては、銭を払ってでもクロスチェックしてもらうべきだと思います。
それを良しとしない組織も残念ながら、あるという事です。
人が居ない、予算が無い、しゃあない、また今度からだわ。。。。
ではダメだと思いますよ。
■ぶっちゃけ儲けは?
ぶっちゃけ、儲けという概念が無いのです。
私たちの建設コンサルタント業務は、人工、すなわち人の作業で作られるものです。
原価は人件費がメインとなります。
要するに、原材料の仕入れや流通コスト等が無いのです。
特に、ひとりで営んでいる個人事業主には販売管理費や共通経費なんてのが無い(細かく言えばあるが)あるいは売り上げに対しての割合が小さいのです。
よって、私の場合は、儲けと言うよりは収入という言葉が適切だろうと思います。
そういう観点で言うと、収入は、さほどありません。
照査ですので、設計された対象物の大きさ(規模)によります。
今回の案件ですと、斜面設計の1か所ですので、1日あるいは2日で終わります。
そう考えると、1~2人工(技術者1~2人分の直接人件費)の収入になります。
単価は。。。。言えません(笑)
そこは、想像にお任せしますが「技術者単価」ですので、そうは安くは無いです。
■なぜクロスチェックの依頼を受けると嬉しいの?
なぜ、クロスチェックの依頼があると嬉しいのか??
収入としては大したことないのに??
あなたなら、どうですか?
自分の会社の成果品などをチェックしてもらうのに、海のモノとも山のモノとも解らないヤツに頼みますか??
私なら、絶対に頼みません。
少なくとも、自分の会社で照査技術者を任せられるくらいの技術者でないと、頼めません。
私が頼むわけでは無いので真実は闇の中ですが、頼んでもらえたという事実は上記を鑑みると重たいと判断できます。
言わずもがな。
なのかも知れません。
ですから、少なからず、上岡地盤防災の上岡が、一定のレベルにあることを認めてもらえた可能性があるという事です。
よって、「嬉しい」となるのです。
決して、直接的な稼ぎは多くは無いです。
それよりも、一定レベルを認めてもらえた方が、将来の稼ぎに繋がる可能性が広がるのです。
だから「嬉しい」となるのです。
重ねて言いました(笑)
御指名頂いたお客様には、大変感謝申し上げます。
その期待に応えられるよう頑張ります。
コメント
コメント一覧 (2)
赤黄チェックではないんですけど、他社さんの軟弱地盤上の道路盛土の圧密沈下対策工で納得いかなかったので設計報告書と圧密沈下解析出力を入手してチェックを掛けたことがあります。自分たちの業務の隣区間と対策工の整合を取るためです。チェックすると地下水位の設定が間違っていて、沈下量を小さく算出していたりと色々と間違いを見つけました。(全て沈下量が小さくなるようなミスだったので、ミスではなく意図的だった可能性もありました。)この他社さんが保有する特許工法を適用するための思惑があったのかもしれないと思いました。
そういったミスもあったりします。
上岡地盤防災
が
しました