落石防護柵の嵩上げ等について、
過去に見つけていた事例を紹介します。
道路を走っていて見つけたモノですので、設計の詳細は不明です。
いずれも、奈良県の山間部で見つけたものです。
10年以内のモノですので、現在もあるとは思いますが、どうなっているかは不明です。
あくまで、こんなんもあるんか!?
という、参考にどうぞ。
■既設の落石防護柵を更新(柵高上げたかも)
写真の通りです。
見ればわかるので説明はいらない気もしますが、念のため。
既設の擁壁の上にあった落石防護柵を更新したもの。
もともと、柵工があった記憶があります。
高さまでは思い出せません。
既設擁壁をカットして落石防護柵を入れ替えたと思われる箇所です。
柵高を変更した場合、基礎を含めた照査が必要となります。
柵高が変わらないなら、原則として現状維持のはずです。
落石防護柵が老朽化して取り換えたのか?
落石防護柵の基準更新(柵高)で取り換えたのか?
上記、両方を踏まえて取り換えたのか?
落石防護柵が平成12年より前の落石対策便覧までは落石跳躍高2mをカバーしておけば良かったのですが、平成12年の落石対策便覧からは、落石跳躍高2m+余裕高という概念がプラスされました。
平成29年の落石対策便覧では更に細かく余裕高の設定方法が変わりました。
そんなこんなで、柵高を上げないとならない箇所は多々あると思います。
古い柵工は、現行基準は満たしていないというのが現実です。
どんな構造物でも同様です。
基準が更新されれば、それ以前のものは現行基準を満たさないのです。
住宅やマンションも同様です。
ですので、これが直ちに問題となることはありません。
仕方のない事実ということです。

<参考>
仮に、擁壁基礎部分を嵩上げして落石防護柵を設置する場合は、
単に壁体を伸ばすケースと、上に小規模な重力式擁壁を載せるケースがあると思います。
いずれも、基礎となる擁壁の安定照査が問題となります。
単に伸ばしたなら、基礎一体として。
上に重力式擁壁載せたら、載せたものと落石防護柵を一体として、下位の既設擁壁は上載荷重を与えて照査する等が必要でしょう。
もちろん、下の壁体の背面が岩盤であれば、置き換え基礎相当と考え、上部のみの照査でもかまわないでしょう。
■擁壁天端にあった被災した落石防護柵を撤去更新
この現場は、災害(斜面崩壊)に遭った箇所で、その当時から状況を知っていました。
知っているっても、その頃、頻繁に通行しただけの話で、設計内容は知りません。
斜面崩壊によって、既設の落石防護柵をなぎ倒して崩土が溜まっていたのですが、撤去された後は擁壁工は生きていたという事例。
落石防護柵は死に体だったが、擁壁は生き体という珍しい?ケース。
その落石防護柵を復旧するのに、既設の落石防護柵埋め根入れ部分を除去するのに、擁壁をカットして基礎部分から打ち直している高度な技を使用しています。
先の事例も丁寧に施工されていると思いますが、こちらの方が更に美しい。
しかも、支柱部分の数が多い!
端末部分は大きめにカットするので、やり易いはずです。
小さくカットする支柱基礎部分は絶対にシンドイはず!
これは、施工業者がハイレベルなんですよね。
というより、カットかけた職人ですよ!
素晴らしいことです。
コンクリートカッター入れながら、ブレーカーで壊したんでしょうね。
その後、基礎部分の現場打ちコンクリートと支柱埋め込みで、復旧。
端末は、斜材が入るので、大きめにカットせざるを得ないです。
いずれにしても、素晴らしい施工ですよね。

いずれも、特殊事例になるでしょう。
結構、施工が大変なので。。。。
設計の面でも、柵高さが変わるなら基礎擁壁の照査問題もあります。
上部の落石発生源の状況が変わっているハズなので、それも踏まえ。
<ポイント>
落石対策便覧によると、基礎工にかかる転倒モーメント等は、支柱が塑性ヒンジを形成する際の最大応力相当になるので、石が小さくても照査エネルギーは最大になってしまいます。
もちろん柵高上げればアーム長も大きくなりモーメントはかなり大きくなります。
この問題をキャンセルするには、発注者とコンセンサス形成しておかないと会計検査で責任取らされますので、要注意です。
例えば、「もう小石しか無いから、全然大丈夫です!」は、落石対策便覧に沿ってないので。。。。
発注者の確認と同意を取り、打合せ協議簿にしっかり書きましょう。
書いてても、責任取らされるときは取らされます(笑)
基礎工が、落石防護柵本体より先に安定を失うことを避けるため、そのように照査するルールになっている。みたいな書き方だったと思います落石対策便覧が。
どうでしたか?
こんな事例もあるって、現場で見るのもありですよ。
山間地をドライブすれば、斜面防災対策の展示場ですから。
くれぐれも、わき見運転にならないよう、工夫してください。
二人で行って、ドライバーは運転集中とか。
退避所で停まって、周辺を観察するとか。
勉強行ってくる!
って、ツーリングもありかもね(笑)
新緑の中を走り抜ける!爽快だよ!
過去に見つけていた事例を紹介します。
道路を走っていて見つけたモノですので、設計の詳細は不明です。
いずれも、奈良県の山間部で見つけたものです。
10年以内のモノですので、現在もあるとは思いますが、どうなっているかは不明です。
あくまで、こんなんもあるんか!?
という、参考にどうぞ。
■既設の落石防護柵を更新(柵高上げたかも)
写真の通りです。
見ればわかるので説明はいらない気もしますが、念のため。
既設の擁壁の上にあった落石防護柵を更新したもの。
もともと、柵工があった記憶があります。
高さまでは思い出せません。
既設擁壁をカットして落石防護柵を入れ替えたと思われる箇所です。
柵高を変更した場合、基礎を含めた照査が必要となります。
柵高が変わらないなら、原則として現状維持のはずです。
落石防護柵が老朽化して取り換えたのか?
落石防護柵の基準更新(柵高)で取り換えたのか?
上記、両方を踏まえて取り換えたのか?
落石防護柵が平成12年より前の落石対策便覧までは落石跳躍高2mをカバーしておけば良かったのですが、平成12年の落石対策便覧からは、落石跳躍高2m+余裕高という概念がプラスされました。
平成29年の落石対策便覧では更に細かく余裕高の設定方法が変わりました。
そんなこんなで、柵高を上げないとならない箇所は多々あると思います。
古い柵工は、現行基準は満たしていないというのが現実です。
どんな構造物でも同様です。
基準が更新されれば、それ以前のものは現行基準を満たさないのです。
住宅やマンションも同様です。
ですので、これが直ちに問題となることはありません。
仕方のない事実ということです。

<参考>
仮に、擁壁基礎部分を嵩上げして落石防護柵を設置する場合は、
単に壁体を伸ばすケースと、上に小規模な重力式擁壁を載せるケースがあると思います。
いずれも、基礎となる擁壁の安定照査が問題となります。
単に伸ばしたなら、基礎一体として。
上に重力式擁壁載せたら、載せたものと落石防護柵を一体として、下位の既設擁壁は上載荷重を与えて照査する等が必要でしょう。
もちろん、下の壁体の背面が岩盤であれば、置き換え基礎相当と考え、上部のみの照査でもかまわないでしょう。
■擁壁天端にあった被災した落石防護柵を撤去更新
この現場は、災害(斜面崩壊)に遭った箇所で、その当時から状況を知っていました。
知っているっても、その頃、頻繁に通行しただけの話で、設計内容は知りません。
斜面崩壊によって、既設の落石防護柵をなぎ倒して崩土が溜まっていたのですが、撤去された後は擁壁工は生きていたという事例。
落石防護柵は死に体だったが、擁壁は生き体という珍しい?ケース。
その落石防護柵を復旧するのに、既設の落石防護柵埋め根入れ部分を除去するのに、擁壁をカットして基礎部分から打ち直している高度な技を使用しています。
先の事例も丁寧に施工されていると思いますが、こちらの方が更に美しい。
しかも、支柱部分の数が多い!
端末部分は大きめにカットするので、やり易いはずです。
小さくカットする支柱基礎部分は絶対にシンドイはず!
これは、施工業者がハイレベルなんですよね。
というより、カットかけた職人ですよ!
素晴らしいことです。
コンクリートカッター入れながら、ブレーカーで壊したんでしょうね。
その後、基礎部分の現場打ちコンクリートと支柱埋め込みで、復旧。
端末は、斜材が入るので、大きめにカットせざるを得ないです。
いずれにしても、素晴らしい施工ですよね。

いずれも、特殊事例になるでしょう。
結構、施工が大変なので。。。。
設計の面でも、柵高さが変わるなら基礎擁壁の照査問題もあります。
上部の落石発生源の状況が変わっているハズなので、それも踏まえ。
<ポイント>
落石対策便覧によると、基礎工にかかる転倒モーメント等は、支柱が塑性ヒンジを形成する際の最大応力相当になるので、石が小さくても照査エネルギーは最大になってしまいます。
もちろん柵高上げればアーム長も大きくなりモーメントはかなり大きくなります。
この問題をキャンセルするには、発注者とコンセンサス形成しておかないと会計検査で責任取らされますので、要注意です。
例えば、「もう小石しか無いから、全然大丈夫です!」は、落石対策便覧に沿ってないので。。。。
発注者の確認と同意を取り、打合せ協議簿にしっかり書きましょう。
書いてても、責任取らされるときは取らされます(笑)
基礎工が、落石防護柵本体より先に安定を失うことを避けるため、そのように照査するルールになっている。みたいな書き方だったと思います落石対策便覧が。
どうでしたか?
こんな事例もあるって、現場で見るのもありですよ。
山間地をドライブすれば、斜面防災対策の展示場ですから。
くれぐれも、わき見運転にならないよう、工夫してください。
二人で行って、ドライバーは運転集中とか。
退避所で停まって、周辺を観察するとか。
勉強行ってくる!
って、ツーリングもありかもね(笑)
新緑の中を走り抜ける!爽快だよ!
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