「現場プレキャスト」って話をします。
近所の道路改良工事の現場で見つけましたので、その実物写真と共に。
■そもそもプレキャスト(コンクリート)って何?
土木、建築関係で、プレキャスト、って言えば、何なのかすぐわかると思います。
プレキャスト。
略して言ってますが、土木、建築の世界では、プレキャストコンクリートの事を指します。
読んで字のごとく、あらかじめ作っておくコンクリート、という意味です。
つまり、工場で、コンクリート製品を作っておいて、現場では、それを置くだけ。
これがプレキャストコンクリート採用のメリットです。
現場がすぐ終わる。
これと似たのが半プレキャスト(半プレって言われます)。
部品をプレキャストにして、現場に置きながら一部を現場打ちコンクリートで仕上げる。
例えば、水路の両壁をプレキャストで置いて、底の残った部分を現場打ちにする。
これにより、型枠が不要になるのと、運搬重量を減らせるメリットがあります。
プレキャストコンクリートの弱点が、重量ですので、それを何とかしようとするのが半プレキャストなのです。
もちろん、施工stepの面から、半プレキャストが良い場合もあります。
■現場プレキャストとは?
タイトルにある「現場プレキャスト」って???
私が勝手に言っている言葉なので、辞書には無いと思います。
下の写真がソレです。

現場で、型枠を組んで、生コン打設して、集水桝を作成しているのです。
設置位置では無く、空いているスペースを利用して。
上の写真の状態は、外型枠が取れた状態です。
手前の桝は、内型枠がまだ取れていません。
下面(底面)は、動かすのでベニヤ板で間切りしていますね。
こうやって、現場で作成した集水桝を、施工位置にセットして完了です。
現場でプレキャストコンクリートを製作して、施工する。
これを私は現場プレキャストって呼んでいます。
■現場プレキャストのメリット・必要性はどこにある?
一般に、プレキャストコンクリートといえば、下の写真のようなものです。
完全に、工場で作ってから現場に持ってくる。
でも、これらの製品は高いんです。
その代わり、現場での施工単価(作業員のコスト)が安い。
て言う事は?
施工業者の儲けが小さくなる。製品製作会社が儲かる。
ということになります。
施工期間(工期)を短くできるので、共通経費等を抑えられる効果はあります。
そして、もうひとつの問題である職人不足があります。
型枠を組んだり、中に配筋があるなら鉄筋組立工も要ります。
そんな職人が居ないなら、絶対プレキャストコンクリートです。

だけれども、職人が居たなら、現場で打った方が施工業者は儲かるし、そもそもの積算も安くなるっていうジレンマがあります。
そして、それを更に混迷させるのが、
プレキャストコンクリートを採用する方が、若干高くなる傾向なのです。
標準積算で積むと、なぜかプレキャストコンクリート使う方が高い。
施工の効率化、工期短縮メリットがあるとは言え、結果、高い。
じゃあ、現場打ちで積算すればいいじゃん?!
ってなるのですが、じゃぁ職人は居るのか!?
となる。
なので、スタンダードとしてはプレキャストコンクリートを使うのがデフォルト、っていうことになったと記憶しております。
確か、国土交通省が積極的にプレキャストコンクリートを使いなさいと通達?出してた記憶があります。私のうる覚えですので定かではありません。
と、いうことでプレキャストコンクリート、デフォ、なのですが、時に現場打ちを使いたい場合もある。
それは何?
標準的な構造では無い時。
つまり、製品が無い!ということです。
可能な限り既存製品ラインナップから選択して設計するのですが、どうしても特殊な取り合いや高低差等の関係で、既存製品ラインナップに無い構造にしないとならない場合はあります。
そんな時は、現場打ちになります。
もちろん、モノによってはメーカーが特注仕様で製作可能です。
そこにはコストとメーカー指定というハードルが発生します。
ですが、一方の現場打ちもデメリットがあり、それは時間がかかること。
例えば、集水桝なら。
①床掘
②基面整正
③基礎砕石・転圧
④型枠
⑤生コン打設
⑥養生(これが長い)
⑦抜枠
⑧水路等取付
⑨埋戻
どうです?
時間かかるでしょ?
生コンの養生は、7日~24日と期間が要ります(モノ・条件による)。
だから、現場の空いているスペースで、予め上記の④⑤⑥⑦をやってしまいます。
そうすることで、床掘して、ソコにブツ置いて、埋め戻すだけにできる。
現場の施工期間短縮にフル活用できる。
という訳です。

施工位置にセットするために、吊り用の鉄筋が出ています。
最後はカットするか、天端部分だけ増し打ちするか?でしょう。
上の写真だと、ネジ鋼を埋め込み、吊りナット仕様なので、吊りナットを外せばネジ鋼だけになるので、カット等の処置がし易いですね。素晴らしい工夫です。
下の写真は、鉄筋を曲げてアーチにして埋め込んでいますね。
あとは蓋との兼ね合い等もあります。

どうです?
現場プレキャスト。
理解できました?
こんな感じで、設計も、現場も創意工夫で頑張っています。
工夫はいくらでもできるんです。きっと。
こんなこと、施工現場で見ないと勉強できません。
若い人は、ぜひ、見に行ってください。
近所の工事現場に。
行こうとする、その気持ちだけでも、成長に寄与するはずです。
近所の道路改良工事の現場で見つけましたので、その実物写真と共に。
■そもそもプレキャスト(コンクリート)って何?
土木、建築関係で、プレキャスト、って言えば、何なのかすぐわかると思います。
プレキャスト。
略して言ってますが、土木、建築の世界では、プレキャストコンクリートの事を指します。
読んで字のごとく、あらかじめ作っておくコンクリート、という意味です。
つまり、工場で、コンクリート製品を作っておいて、現場では、それを置くだけ。
これがプレキャストコンクリート採用のメリットです。
現場がすぐ終わる。
これと似たのが半プレキャスト(半プレって言われます)。
部品をプレキャストにして、現場に置きながら一部を現場打ちコンクリートで仕上げる。
例えば、水路の両壁をプレキャストで置いて、底の残った部分を現場打ちにする。
これにより、型枠が不要になるのと、運搬重量を減らせるメリットがあります。
プレキャストコンクリートの弱点が、重量ですので、それを何とかしようとするのが半プレキャストなのです。
もちろん、施工stepの面から、半プレキャストが良い場合もあります。
■現場プレキャストとは?
タイトルにある「現場プレキャスト」って???
私が勝手に言っている言葉なので、辞書には無いと思います。
下の写真がソレです。

現場で、型枠を組んで、生コン打設して、集水桝を作成しているのです。
設置位置では無く、空いているスペースを利用して。
上の写真の状態は、外型枠が取れた状態です。
手前の桝は、内型枠がまだ取れていません。
下面(底面)は、動かすのでベニヤ板で間切りしていますね。
こうやって、現場で作成した集水桝を、施工位置にセットして完了です。
現場でプレキャストコンクリートを製作して、施工する。
これを私は現場プレキャストって呼んでいます。
■現場プレキャストのメリット・必要性はどこにある?
一般に、プレキャストコンクリートといえば、下の写真のようなものです。
完全に、工場で作ってから現場に持ってくる。
でも、これらの製品は高いんです。
その代わり、現場での施工単価(作業員のコスト)が安い。
て言う事は?
施工業者の儲けが小さくなる。製品製作会社が儲かる。
ということになります。
施工期間(工期)を短くできるので、共通経費等を抑えられる効果はあります。
そして、もうひとつの問題である職人不足があります。
型枠を組んだり、中に配筋があるなら鉄筋組立工も要ります。
そんな職人が居ないなら、絶対プレキャストコンクリートです。

だけれども、職人が居たなら、現場で打った方が施工業者は儲かるし、そもそもの積算も安くなるっていうジレンマがあります。
そして、それを更に混迷させるのが、
プレキャストコンクリートを採用する方が、若干高くなる傾向なのです。
標準積算で積むと、なぜかプレキャストコンクリート使う方が高い。
施工の効率化、工期短縮メリットがあるとは言え、結果、高い。
じゃあ、現場打ちで積算すればいいじゃん?!
ってなるのですが、じゃぁ職人は居るのか!?
となる。
なので、スタンダードとしてはプレキャストコンクリートを使うのがデフォルト、っていうことになったと記憶しております。
確か、国土交通省が積極的にプレキャストコンクリートを使いなさいと通達?出してた記憶があります。私のうる覚えですので定かではありません。
と、いうことでプレキャストコンクリート、デフォ、なのですが、時に現場打ちを使いたい場合もある。
それは何?
標準的な構造では無い時。
つまり、製品が無い!ということです。
可能な限り既存製品ラインナップから選択して設計するのですが、どうしても特殊な取り合いや高低差等の関係で、既存製品ラインナップに無い構造にしないとならない場合はあります。
そんな時は、現場打ちになります。
もちろん、モノによってはメーカーが特注仕様で製作可能です。
そこにはコストとメーカー指定というハードルが発生します。
ですが、一方の現場打ちもデメリットがあり、それは時間がかかること。
例えば、集水桝なら。
①床掘
②基面整正
③基礎砕石・転圧
④型枠
⑤生コン打設
⑥養生(これが長い)
⑦抜枠
⑧水路等取付
⑨埋戻
どうです?
時間かかるでしょ?
生コンの養生は、7日~24日と期間が要ります(モノ・条件による)。
だから、現場の空いているスペースで、予め上記の④⑤⑥⑦をやってしまいます。
そうすることで、床掘して、ソコにブツ置いて、埋め戻すだけにできる。
現場の施工期間短縮にフル活用できる。
という訳です。

施工位置にセットするために、吊り用の鉄筋が出ています。
最後はカットするか、天端部分だけ増し打ちするか?でしょう。
上の写真だと、ネジ鋼を埋め込み、吊りナット仕様なので、吊りナットを外せばネジ鋼だけになるので、カット等の処置がし易いですね。素晴らしい工夫です。
下の写真は、鉄筋を曲げてアーチにして埋め込んでいますね。
あとは蓋との兼ね合い等もあります。

どうです?
現場プレキャスト。
理解できました?
こんな感じで、設計も、現場も創意工夫で頑張っています。
工夫はいくらでもできるんです。きっと。
こんなこと、施工現場で見ないと勉強できません。
若い人は、ぜひ、見に行ってください。
近所の工事現場に。
行こうとする、その気持ちだけでも、成長に寄与するはずです。
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