河川工事において、重要な作業に締め切りという作業があります。
 川ですので、大なり小なり水が流れています。
 時には干上がった川もありはしますが。。。
 何れにしても河川内を締め切ってドライ施工エリア等を確保するのです。
 
 規模が歩いて程度大きい河川であれば、矢板で二重締め切りしたり、大型土のうで締め切り堤を設置したりします。
 工事車両を川道内に投入するための坂路と組み合わせて計画する場合が多いです。 

 しかし、小規模な河川で、流量の少ない現場であれば河川を堰き止めてポンプアップで短期施工期間なら凌ぐことも可能です。
 注意すべき点として、24時間、あるいは作業時間中のポンプ稼働が必要なことです。
 電気が要ります。
 発電機でもいいですが、周囲への騒音に留意する必要もでてきます。
 
 下の写真が、小規模な河川で堰き止めてポンプアップしている現場です。
 近所で見つけた現場の仕上げ(底周り)の段階作業をしている様子です。
 一般的な土のう袋で堰き止め、ポンプでくみ上げています。
 手前が上流側で、向こうが下流になります。
 水が無くなって干上がった状態です。

 ポンプをフィルター箱に入れて詰まらないようにしています。
 素でポンプ置くよりもパクられる(笑)リスクも減ります。
 ほんと、建機をパクる奴がいるんですよ。
 デカイ重機が無くなったって話も聞きますからね。
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 下流の状況です。ポンプでくみ上げた水が放水されています。
 このように、流量が少なければポンプ対応での締め切り(ドライ施工)が可能となります。

 つまり、これは窯場排水処理の応用です。
 地下水の多い現場での床掘でも使われます。
 それが派手になると止水壁だったり、ウェルポイント工法だったり、ディープウェル工法だったりします。

 小規模河川でも流用が多くなればポンプの性能や台数を上げれば対応可能な流量は増加できます。
 このような簡易的な締め切りや施工方法は小規模河川での施工計画では必須の方法なのだと思います。

 ちなにみ、大規模河川での工事となると、締め切りの規模は当然大きくなります。
 一級河川 大和川での川道内構造物撤去している締め切りの写真です。
 別の記事に載せた写真です。
 河川を堰き止めなくて良い半川施工という片側ずつ施工する方法なので、コレで済んでいるのでしょう。

 ちなみに、大規模河川を工事で堰き止めることは現実的にみて不可能ですからね。
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参考記事:>>2013年非出水期の石積帯工撤去の現場(大和川の土提締め切り)遠めの見学記憶

 ここまでした話は、
 あくまで、河川、川道内の工事で話をしていますが、一時的に堤防を切り欠くような排水樋門等の工事だとこうはいきません。
 堤防と同性能の締め切りが必要なので、大規模な工事となります。
 本体工並の仮設工事が必須となるのです。
 堤防が失われている期間、仮設の締め切り堤などが同等の性能を有していないと洪水リスクをカバーできないのです。

 河川設計って、仮設や施工計画が大変なんですよ~。
 やっていると、目が死んだ魚みたいになってしまいます私の場合(笑)