既設構造物の老朽化を調査、診断するのにコンクリート構造物の場合に多いのはシュミットハンマーですが、これは表面の状態を簡易的に知るもので、完全とは言えません。

 そこで、詳細な調査、診断のために、実物のコンクリート構造物からテストピースを採取して試験にかける方法が確実となってきます。
 実際にコア抜きして、その柱を圧縮試験にかける。
 一軸圧縮強度がどのくらい出るのか?
 もちろん、劣化したのか、最初から低いのか?という問題もある。

 そのほか、鉄筋構造物であれば採取孔は鉄筋の目視のための孔となります。
 中性化の程度を把握する試験もできます。コンクリートのもっている強アルカリ性が鉄筋を守る効果を実現していますので、中性化が進行すると、鉄筋に作用していた守る効果(不導体被膜)が失われます。

 このように、コンクリートに接する鉄筋は、コンクリートの強アルカリ性から不動態皮膜という酸化被膜に覆われ腐食から守られる効果を得ています。
 当然ながら、それが失われると錆びます。
 そして、塩害も似たような話です。
 塩分濃度が高まると、さすがに不導体被膜で守られていても錆びます。
 そうなってくると。。。。。
 
 鉄筋が腐食進行、膨張し、コンクリート構造物を内側から破壊します。
 そう、北斗神拳のようなイメージ(笑)

 例示として、井桁擁壁の部材が塩害で破壊している状況写真を持ってましたので載せます。
 どうです?パッカーン!って割れてますでしょ?

 しかし、井桁擁壁なんですが、女優の「井桁弘恵」さんがTVに出ると、必ずといっていいほど「井桁擁壁」が頭に浮かんでしまうのです。
 残念ながら、もう、これは職業病です(笑)。 
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 さて、脱線したところで本題です。
 コンクリートのコアを抜く、テストピースを採取する方法は、主として「ダイヤモンド・コア・ドリル」による穿孔だと思います。
 回転する円筒形のコアビットで円筒状の穴を開けながらコアを採取できる工具です。
 回転のみで穴を開けるので低騒音・低振動での作業が可能です。

 ダイヤモンドって言いますけれど、先端についている円形のカッターの先に、工業用ダイヤモンドの粒が付いた刃先が付いています。 
 工業用のダイヤモンドというものの、高いですよ!  
 モノタロウだと、直径100mmのビットで30,000円。  
 もちろん、繰り返し使えますけれど、鉄筋切ったりすると粒が飛んで性能低下が早まります。  
 大事に使うと長もちするって聞きますが、実際、どのくらいもつかは知りません(笑)

 ちなみに、ボーリング調査の先端にも、同様にビットが付いています。  
 コア採取する場合はコアチューブも。  
 ダイヤモンドビット、メタルクラウンなど、ありますよ。

 本題のダイヤモンドコアドリルによるコア採取状況の写真を載せますね。
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 どうです?
 写真で見ると、あー見た事ある!
 ってヤツではないですか?
 昔、発注者支援業務(監督支援)で、管理技術者させられた?時に現場で見せてもらった時の写真です。もう、10年以上前か。。。。

 ポイントとして、
 コンクリート面にピンホールアンカーなんかで固定しないと反力取れないので、そこは重要ポイントでもあります。
 摩擦を抑えるために送水もしています。
 機械は、辛うじて一人で運べるくらいの重さ。
 垂直方向の他の設置は複数人でないとできません。
 垂直なら辛うじて一人でセットできるかも。
 倒れたら危ないよ。
 足詰めるから。
 
 KY活動で、それダメ!って言われますよ。