建設コンサルタント業界の仕事で重要な作業は、業務の検討資料であったり報告書であったり、社内の発表あるいは研修資料など様々な資料を作成する作業があります。

 もちろん、いろいろな業界で、それぞれの資料作成があるでしょう。
 ここで、資料作成についてチョット論じます。

 私が最近見てきた新入社員や経験の浅い技術者は、このような資料作成に際してイキナリ、ワード、エクセルに向かって打ち込み始めます。
 それで無難に作業が終われば良いのですが、結果はグダグダな事が多かった印象があります。

 理由は、資料を組み立てることより、目の前の打ち込み、入力に半分くらいの意識を使っているので、何を書いたらいいか、あるいは解りやすいか、エビデンスは何を引用したらベストか等の構成に裂く意識が半減してしまっているのでは無いかと想像します。

 ですので、私は、始める前に、作成しようとしている資料、検討書、報告書の該当部分の情報をA4あるいはA3の紙に思いつく限り書き出します。
 この時に、思いつく限りを書き出すのがポイントです。

 そして、書き出した情報で関連がある情報は線や矢印でリンクさせます。
 それを暫く眺めたうえで、こんな資料(構成)にしよう!
 と思い描いてからワード、エクセルに入力を始めます。

 その方が、結果、早いように思います。
 次の写真が、検討書のある章を作成しようと書き出したメモの例です。
 別に他人に見せるものでは無いので、自分が解ればよいレベルのメモで良いのです。
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 私の場合、ここから、ワード、エクセルで作成すると捗ります。

 慣れない人は、これをもう少し丁寧に構成化して、章、項、書きたいキーワードを配布したスケルトンを構築してから始めると良いでしょう。
 上達した人、あるいはベテランは、このスケルトン(骨子)が頭の中に出来ているから仕事が早いんですよ。
 何も、やみくもに打ち込んでいる訳ではないんです。

 そう、このスケルトンが重要なんです。
 スケルトンの構築が適正だと、あっという間に資料は出来上がります。
 でも、紙に書き出すのはプロ級でも、それをスケルトン構成化できない人も居ます。
 いわゆる壁にぶち当たっているのです。

 この壁を越えないと、技術者として一人前にはなれません。
 若い人は、日頃から、こういった練習をしておかないとなりません。
 練習するだけではなく、結果として技量が上がっていないと困ります。

 仕事をするうえで、資料、報告書作成能力は必須です。
 そして、年数がある程度経つと、建コン技術者の免許証、技術士の資格を取得しないとなりません。

 この技術士の試験は考えながら大量の文字を書く試験なのです。
 考えながら書く内容も、かなりハイレベルな内容です。

 日頃から的確に文章を構築して、速やかに仕上げるスキルを鍛え上げておきましょう。
 使い古された言葉で言うと、「ローマは一日にして成らず」なのである。

 鍛え上げたスキルこそ才能である!