地質屋さんの現場道具として、小道具が幾つかあります。
 細かいの入れると結構あるので、シリーズとして3点ほど紹介します。

 今回は、ハンマー!
 (ジオロジカル・ハンマー、ロックハンマー)

 現場では、「ハンマー」と呼びます(笑)。
 知らない人は居ないですね。きっと。
 形状により、先端が平らになっているチゼルハンマーと、先端の一方が尖っているピックハンマーがあります。  
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 ハンマーの材質は、一般の金づちより柔らかい金属が使用されています。
 岩盤露頭を叩くとき、硬い金属だと欠けて破片が飛ぶからです(ハンマー側も、岩盤側も)。
 硬い岩盤ばかり調査する時は、アイシールド(プロテクター,ゴーグル)を着用する場合もあります。

 それを緩和するために柔らかい(金属ハンマーとしては柔らかいという意味)金属でできています。
 ですので、地質ハンマーは、使えば使うほど先端が丸くなってきます。
 昔は、丸くなった四角い方をカットして再生してくれていました。今はどうなんでしょう。
 もちろん、結構な値段しましたよ。

 使い方は、もちろん、叩く!
 岩盤や露頭、転石を叩いて、金属音がします(CH級以上?)。鈍い音がします(CL級以下か)。
 力強く叩いても割れません(CM級以上か?)。軽打で割れます(CL級以下か)。
 叩くと凹みます(D級?DH級かな?)。
 など、体感?することで地質状況を文書化?物理化?土木定数化?していくのです。

 文書化:金属音がする。軽打で割れる。等
 物理化:CM級岩盤である。D級あるいは土砂(未固結層/堆積層)である。等
 土木定数化:許容地盤反力度600KN/m2、100KN/m2は取れる。等

 余談ですが、
 地質屋さんは自然的な表現が多く、土木屋さんは数値的表現が多い。
 この辺が、相互の交わりを難しくするんでしょうね。
 私は両方を吸収してきましたので、お互いの思想が解ります。
 そりゃあ、なかなか、理学と工学をシームレスにするのは簡単ではないですよ。

 話が飛びましたが、
 写真のハンマーですが、これも30年くらい使っています。  
 10000円くらいします。本体だけで。  
 ケースも3000円くらいするのでは?

 デジタル製品と違って、こういった専門道具は長く使えるのでいいですね。

 他に紹介している小道具同様、これを持って現場に出ることも地質屋さんの証です。