私も、斜面防災技術者として、地質屋の隅っこに居る人間です。
 なぜ隅っこか?
 地質屋さんていうのは、だいたいが応用理学系の大学・学科を出ているものです。
 卒論も、〇〇地域の地質と〇〇、みたいな系統の内容でしょう。

 私はスタートが土木屋なので、ちょっと毛色が違うという感じでしょうか。
 会社に入ってから、地質のことを猛勉強して、地質屋さんの隅っこに置いてもらえるくらいの技量は培ったかな、というぐらい。

 さて、前置きはそのへんで、
 地質屋さんの現場道具として、小道具が幾つかあります。
 細かいの入れると結構あるので、シリーズとして3点ほど紹介します。

 今回は、スケールプロトラクター!

 現場では、「スケプロ」と呼びます。
 スケベのプロでもなく、透けているプロでもないです。
IMG_8031
 写真の下側がスケプロ。上は参考比較で三角スケール(設計屋の神器?)。
 Scale(定規)
 Protractor(分度器)
 の合わせ技なのです。

 定規には、1/200、1/500、1/100(普通の尺)といった複数の縮尺が刻まれています。

 地表地質踏査では、地層や岩相、土木的な岩盤区分、断層などの重要構造変化等を地形図に向かって書き込んでいきます。
 この記入時に、地層の走向を推測したり、未踏査領域あるいは今から歩いていく方向に何があるのか推測したりします。
 
 現場で、分度器、定規、などなどを持ち歩くのは手間です。
 それ以外に山歩きですから、そもそもの装備というのもあります。
 ですので、ひとつにまとめたスケプロは便利なんです。
 ペラペラなので、画板にクリップ止めも可能です。

 設計屋さんが三角スケールを現場に持って行くように、地質屋さんはスケプロなのです。

 私のスケプロ、使い込んでボロボロですけど、コア観察するときに、コレでコアパックのビニールをコアの両脇にグイグイ押し込んだりするので、ボロボロなんです。
 モノを大事にしないとダメですね、と思いつつも。
 このスケプロ。
 入社してまもなく買ったものなので、30年くらい使っています。
 大事にしているじゃん!(笑)
    
 ちなみに、1000円くらいします。