前の会社に勤めていた頃、
もう5年以上前ですが、設計した砂防堰堤の付け替え道路において、設計変更(現場条件変化による)に伴う擁壁で法尻を覆う設計をしていました。
元々、対象箇所は、ブロック積擁壁工で仕戻す設計でしたが、それを施工する段階で、それも切土が終わった段階で、斜面上へ上れるようにアクセス路を検討して欲しいとの依頼がありました。
計画擁壁の上部に小さな祠のようなものがあり、そこへ行けるように昇降路を付けて欲しいと地元から要望があったということです。
要望の正体は、お参りできないじゃないか!という苦情と察します。
う~ん。設計中に解決しておくべき課題ですよね。
(当初の付け替え道路の詳細設計は、当時、既に退職した人がしていた)
余談ですが、会社(建設コンサルタント)によりますが、設計した構造物の施工時の問い合わせが来る頃には、その当時の関係者は辞めてしまって誰も居ないなってことが多いです。
私の勤めていた会社では、高確率で、そんな感じでした。
人の出入りが多いんです(笑)
それだけ厳しい環境(職種)なのでしょう。
もちろん社風もあるかも知れません。
ですが、設計業務が非常に高度で、辛い仕事であることは事実です。
標準成長フローについて行けない技術者が、嫌になって辞めていくのは、ある程度、仕方がない世界でもあります。
話が逸れましたが、相談があった時点の現場の状況です。

こんな感じで切っていて、確かに、上に小さな建物がある。
そこへ、自然石を積んだ階段のようなものがある。
地元の人からすると、通れるようにしてくれと言いますね。
これはさすがに。
だわ。

後ろから見た写真です。正面も後ろも擁壁が仕戻すと昇降できません。
しかも背面側は掘削土砂が被っていますが、露岩しているようです。
一部では擁壁すら要らない恐れもありました。
そして、一部に石積みもあります。
岩盤がへこんでいた部分を石積みで平滑にした感じでした。
では、どうするか?
ちょっと悩んだ末、民地へのアクセス路であるということで、擁壁の背面を少し平場にして、そこを通って頂くように提案しました。
いわゆる正規の通路では無いですけれどもパターン。
でも、転落防止柵は必要です(2mを超えるため高所となる)。
百聞は一見に如かず、完成した構造を見ましょう。
こんな感じです。
擁壁天端を傾斜させ、坂路にしたのです。
階段は、擬木階段に付け替えです。
転落防止柵を付けています。
付け替え道路の高所側からアクセスできたので、斜路の縦断勾配も抑えられました。
人、ひとり、昇り降りできればOKという構造。
まぁまぁ、イイ感じだと思っています。

次の写真が背面から見たものです。
運よく風化岩が露頭した部分なので、モルタル吹付で処理できました。
局所にあった石積み部分もモルタル吹付で覆い尽くしました。
(通行路沿いは上部の土砂露頭部分も浸食防止でモルタル吹付を伸ばしています)

このように、祠へ行くためのアクセスは最低限ですが確保でき、道路の仕戻し擁壁工も適切に配置できました。
岩盤の露頭が願ったり叶ったりの状況で、この形状が成立できたのですが、ちょっとしたアイデアと折衝(提案・協議)で回避できる問題もあったりします。
なんでもそうなんですが、ちょっと一呼吸。
考えてみる。
そうすると、何か思いついたりするものです。
すぐに、無理です、もう関係ないです、他を当たってください。
できないですね。
無理ですね。
なんていう返答じゃあ寂しいですものね。
基準書に載ってない部分を、いかに工夫するか。
イレギュラーな事を、いかに柔軟に対応するか。
まさに、技術者の真骨頂だろうと思います。
ですので、
自分の少ない知恵を、如何に絞りだすか、私はそんなことをいつも思案しています。
その結果、頻繁に頭痛になります。
困ったものです。
もう5年以上前ですが、設計した砂防堰堤の付け替え道路において、設計変更(現場条件変化による)に伴う擁壁で法尻を覆う設計をしていました。
元々、対象箇所は、ブロック積擁壁工で仕戻す設計でしたが、それを施工する段階で、それも切土が終わった段階で、斜面上へ上れるようにアクセス路を検討して欲しいとの依頼がありました。
計画擁壁の上部に小さな祠のようなものがあり、そこへ行けるように昇降路を付けて欲しいと地元から要望があったということです。
要望の正体は、お参りできないじゃないか!という苦情と察します。
う~ん。設計中に解決しておくべき課題ですよね。
(当初の付け替え道路の詳細設計は、当時、既に退職した人がしていた)
余談ですが、会社(建設コンサルタント)によりますが、設計した構造物の施工時の問い合わせが来る頃には、その当時の関係者は辞めてしまって誰も居ないなってことが多いです。
私の勤めていた会社では、高確率で、そんな感じでした。
人の出入りが多いんです(笑)
それだけ厳しい環境(職種)なのでしょう。
もちろん社風もあるかも知れません。
ですが、設計業務が非常に高度で、辛い仕事であることは事実です。
標準成長フローについて行けない技術者が、嫌になって辞めていくのは、ある程度、仕方がない世界でもあります。
話が逸れましたが、相談があった時点の現場の状況です。

こんな感じで切っていて、確かに、上に小さな建物がある。
そこへ、自然石を積んだ階段のようなものがある。
地元の人からすると、通れるようにしてくれと言いますね。
これはさすがに。
だわ。

後ろから見た写真です。正面も後ろも擁壁が仕戻すと昇降できません。
しかも背面側は掘削土砂が被っていますが、露岩しているようです。
一部では擁壁すら要らない恐れもありました。
そして、一部に石積みもあります。
岩盤がへこんでいた部分を石積みで平滑にした感じでした。
では、どうするか?
ちょっと悩んだ末、民地へのアクセス路であるということで、擁壁の背面を少し平場にして、そこを通って頂くように提案しました。
いわゆる正規の通路では無いですけれどもパターン。
でも、転落防止柵は必要です(2mを超えるため高所となる)。
百聞は一見に如かず、完成した構造を見ましょう。
こんな感じです。
擁壁天端を傾斜させ、坂路にしたのです。
階段は、擬木階段に付け替えです。
転落防止柵を付けています。
付け替え道路の高所側からアクセスできたので、斜路の縦断勾配も抑えられました。
人、ひとり、昇り降りできればOKという構造。
まぁまぁ、イイ感じだと思っています。

次の写真が背面から見たものです。
運よく風化岩が露頭した部分なので、モルタル吹付で処理できました。
局所にあった石積み部分もモルタル吹付で覆い尽くしました。
(通行路沿いは上部の土砂露頭部分も浸食防止でモルタル吹付を伸ばしています)

このように、祠へ行くためのアクセスは最低限ですが確保でき、道路の仕戻し擁壁工も適切に配置できました。
岩盤の露頭が願ったり叶ったりの状況で、この形状が成立できたのですが、ちょっとしたアイデアと折衝(提案・協議)で回避できる問題もあったりします。
なんでもそうなんですが、ちょっと一呼吸。
考えてみる。
そうすると、何か思いついたりするものです。
すぐに、無理です、もう関係ないです、他を当たってください。
できないですね。
無理ですね。
なんていう返答じゃあ寂しいですものね。
基準書に載ってない部分を、いかに工夫するか。
イレギュラーな事を、いかに柔軟に対応するか。
まさに、技術者の真骨頂だろうと思います。
ですので、
自分の少ない知恵を、如何に絞りだすか、私はそんなことをいつも思案しています。
その結果、頻繁に頭痛になります。
困ったものです。
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