一定以上の規模の河川には、高水敷があり、高水敷を挟んで低水護岸、高水護岸(堤防)が存在しています。

 これには様々な理由があり、簡単に言うと低水路(低水護岸で挟まれた中心側)は常時あるいは高頻度の出水に対しての流路で、日常で見られる河川水は、ほぼこの低水路内の流下のみとなります。一方で、高水護岸(堤防)に達する出水は、滅多にない状況となります。

 では、高水敷は何のためにある?
 明確に記された書籍がありません。

 効果としては、低水路と高水敷を分けることにより低水路を小さくでき、それにより常時流水を確保できる効果があります。

 低水路が広いと、水深が浅くなりすぎて水が干上がってしまう恐れがあります。
 生態系への問題や、澱みの発生で水質悪化も懸念されます。
 また、古くは、水運への影響もあり、低水路を狭く設けることがあったとされます。
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 低水護岸の写真です。右が低水路。左が高水敷。
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 高水敷と堤防(高水護岸)の写真です。左が低水路。

 このように、高水敷にはサイクリングロードやウォーキングロード、場所によっては公園、球技場などがあったりします。
 ですので、一般の方は、ここ(高水敷)は水が来ないと思い込んでいる方も居るのではないでしょうか。そんなことは無く、何年かに1回は水が来て、沈んだり流されたりするので気をつけましょう。

 駐車場があったりする場合は、大雨が予想される場合に車両を置き忘れないようにしましょう。
 近年、高水敷の有効活用で、観光地での臨時駐車場等に利用されるケースもあります。
 高水敷きに停めていた車が流されるってことがあり得るって話です。

 ちなみに、高水敷が浸かるくらいの増水は、氾濫危険水位に達している場合が多いので注意が必要です。上記の写真とは別の川で大和川になるのですが、橋脚に示された氾濫危険水位が見えます。ちょうど高水敷より上に位置しています。
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 暇があったら、近所の川を見て、状況を把握しておくことも重要です。
 特に、近所に大きな河川があるお宅は注意が必要です。
 ハザードマップの確認と避難路の確認も忘れずに。