委託業務を受注した際、官公庁である発注者に業務計画書を提出しなければならない。14日以内とされるが、その内容は共通仕様書に規定されている。参照するならば、ネットで閲覧できる国土交通省 近畿地方整備局の土木設計業務等委託必携 第1編 共通編だ。
  
(1)業務計画書に記載する事項
 こんな内容、建設コンサルタントにお勤めの人には失礼な内容なので、飛ばしてください。
 一般の方で興味があれば読んでください。
 国土交通省 近畿地方整備局を例に取ると、共通仕様書の第1112条に業務計画書の内容に規定があります。こんな感じです。

(1)業務概要
(2)実施方針 
(3)業務工程
(4)業務組織計画 
(5)打合せ計画
(6)成果物の品質を確保するための計画 
(7)成果物の内容、部数
(8)使用する主な図書及び基準 
(9)連絡体制(緊急時含む)
(10)使用する主な機器 
(11)その他

 発注設計書、特記仕様書の情報∔受注者の情報を盛り込んでいけば簡単に作成できる。
 必要事項を漏れなく入れれば業務計画書の完成です。
 提出簿(記録簿)を鏡にして提出すればOKです。
 発注者提出用と受注者控え用として2部提出し、両者の押印したものをそれぞれ保管します。


(2)重要なポイント(良き計画書とは)
 ここは、建設コンサルタントの方でも、えって思う人も居るかも知れません。
 共通仕様書には記載の無い発注仕様を補足した特記仕様書の丸写しが正解と思っている人は、たぶん居るはずです。
 では、何をどうすればいいのか?
 主として着目すべきは次の3項目です。

(2)実施方針 
(5)打合せ計画
(6)成果物の品質を確保するための計画 

 打合せ計画は、いつ、どの段階で、何の打合せをするか具体的に書く。そして、それは工程表とリンクしていることが重要となります。
 成果品の品質を確保するための計画は、照査をいつ、どの内容で実施するかということを具体的に書く。それも工程表とリンクしているし、打合せ計画の内容ともリンクすべきです。併せて、社内独自の品質確保手法(ISO9001など)も追記します。
 それから、実施方針です。めんどくさいから特記仕様書の丸写しでいいやと思う人も居るかも知れませんが、本当に、何を実施するのかを細かく書くのが正解です。
 
 例えば、法面工予備設計1か所、と仕様がある場合は、

  ・既往資料の整理方針
  ・工法検討のうえでの基本条件の設定方針
  ・検討断面の設定と土質定数等の設定方針
  ・工法比較検討の方法、方針
  ・成果物の取りまとめ方針

 などについて記載するのが良いと思います。
 要は、実際に、どのように、どのようなプロセスを経て仕事をしようとしているのか?
 これが発注者に伝わるように書かないといけない。

  もしも、これが点検業務なんかだったらもっと大変。どんな班編成で、どんな安全対策をして、どんな手順で点検し、どんな形で取りまとめるか。そしてその現場スケジュールはどうなっているか。    
 つまり施工計画書のような内容としないとならない。
 時間が無い場合は、別途、作業実施計画書を提出する旨を計画書に記載する手もあるが、いずれにしても必要になる事項である。

 その内容の確認をもって、発注者が、業務開始のgo!サインを出すのである。
 共通仕様書の規定の項目を網羅して、実際の作業内容を具体的に書くのが良い業務計画書なのです。

 前任者のデータの上書き修正で良いと思っている、そこの若手技術者くん。
 それ、ダメだから。