建設コンサルタント業界においても、タスクマネージメントという言葉が飛び交います。
 taskとは、職務,仕事,課業,任務,仕事 などを指します。
 それを管理するということで、簡単に言うと、業務(事業)の工程管理をするということでしょう。

 難しい横文字にして表現するのが主流なので、日本語で言うと?と言われると、一瞬、なんだっけ?と思うようになります。それだけ横文字慣れしているということでしょうか。

 ではタイトルにある闇とは何なのか?
 業務の履行に際してタスクマネージメントをするということで、一番簡単な方法であり、発注者である官公庁の共通仕様書にもある「工程表」の作成が基本としてあります。
 シンプルな横棒引きのバーチャートで契約書類のひとつとして提出せねばなりません。
 もう少し進むと、「業務スケジュール管理表」というものを特記仕様書で求められる場合があり、これについては細かな作業区分割りと、業務履行に必要な関係機関協議や課題の提起など、着手時に作りこんで、これに従いつつ履行状況を記入するものです。
 この業務スケジュール管理表は、作るのも大変ですが、履行状況を書き込んで行くのも辛いです。

 業務スケジュール管理表の履行状況記入の何が辛い?
 そうですね、あんま進んで無くて、課題も解決できてなくて、打ち合わせ時期も遅れてて、と芳しくない状況を記入することとなるので、管理者は自己嫌悪に、各担当技術者はヤバイけど知らないふりしとこ、みたいな空気が支配するからです。
 
 これが一つの闇でもあります。
 業務スケジュール管理表、業務の終わり間際に、ダダダダぁ~っと、過去のチェックポイント分のものをまとめて作成していることもあるでしょう。
 業務進捗が芳しくないものほど、そんな傾向にあるように思います。
 本来、業務進捗を芳しくするためのモノなのにです。

 その闇の原因は、結局のところ根底にある「他人事のふり」、「誰かがやるだろう」という言葉に表されるのではないでしょうか。
 これは、建設コンサルタント業界に限ったことではなく、企業に巣食う闇なのだろうと思います。

 闇の根っこは何なのか?
 特に、部署間で業務(ミッション)を分担する場合に闇が多くなります。
 同じ部署内での業務分割・分担する場合は、日常で顔を合わせますので、事態の回避はし易い方だと考えられますが、部署が分かれるとそうはいきません。
 一般には主たる管理部署にいる方が苦労します。(そうでない場合も当然あります)
 
 お互いに、それぞれ多数の業務を履行しているので、他部署との協働ミッションについては優先度を落としがちです。目の前にある自分がメインで履行している業務(ミッション)が最優先になるからです。人は、まず自分の事が大事なのです。根底にこれがあります。
 ですから、他の部署から部分的に依頼された検討項目(ミッション)については、難癖つけて後回しにしたいのが本音ではないでしょうか。
 そう、あの条件をそろえてもらわないと作業できない、あの図面もらってもらわないと出来ない、ココの条件を決めてもらわないと出来ない、そっちの基本図を先に仕上げてもらわないと、等々、何かに理由をつけて後回しにしようとしがちになっているはずです。

 お断りですが、あくまで私の感じていた感想のようなモノなので、ウチは違う!というご意見もあると思いますが、ご勘弁ください。その時は私の不徳の致すところでこざいます。

 総合的な工程表が闇を見える化するのはなぜか?
 突き詰めるところ、人と人の付き合いで、部内から部外へ、そして社外へと利害関係はつながっているので、そのバランスや感情コントロールまで至らないと、本当のタスクマネージメントなんてできないんだろうと思います。
 ですので、カタチだけでも大事にしようというのが、結局のところ工程表や業務スケジュール管理表なのだろうと思います。

 暗黙の了解でやりとりしていたチーム内の作業分担の進行管理や、部署間での分担パーツの進行管理は、表という目で見えるモノに履行状況を具現化することで、歪=闇までを見える化してしまうリスクを有しているのです。(たぶん)
 併せて、管理表、工程表は発注者に対しての見える化ツールとして見られがちですが、その本質(真の目的)は円滑な業務履行の実現、適切な段階での照査の実施です。その本来の目的を見失ってしまってないですか?ということです。

 結局のところ何が言いたい?
 長々と書いて、結局のところの言いたいことが見えなくなっていますが、究極のところ、タスクマネージメントなんて関係者の意識によって依存していて、表にしたってグラフにして見せたって、結果、さほど変わらないのだということです。
 ちゃんと仕事してきた(経験を積んだ)人に限っての話です。そんな人たちの頭の中には、今までも管理表や出来高状況、タスクマネージャーが入っていたんです。

 一方、業務スケジュール管理表を本当に活用しなければならないのは経験が少ない技術者であり、駆け出しの管理者であるのです。そんな人たちが案外、他人事と思っていたり、心を込めてやってなかったりするのも闇かも知れません。

 システム化して、だれでも出来るようにと創られたシステムを、使うべき人が使わない。他人事だと思って向き合わない。どこの世界にもある闇だと思います。
 
 そんな状況なので、ヤル人間と、ヤラナイ人間で、大差が出ます。もちろん、本質(真の目的)を理解している、あるいは理解しようとしてヤル人間ほど成長します。
 せっかくなのですから、いい方向に持って行こうとしているシステムは活用しましょうよ。
 
 がんばれ若い技術者たち、そして若くして管理者兼務となったプレイングマネージャーたちよ。