私は、令和6年6月をもってサラリーマン生活にピリオドを打ちました。
 そこからは、ひとりで建設コンサルタント様の下請けをして生計をたてています。

 そんな組織に属さない立場だからこそ、今だからこそ若手技術者に強く伝えたい。
 いままでも伝えてきたつもりでしたが、たぶん、あんま伝わってないんだろうなぁと思います。
 分母を増やせば、伝わる人も増えるかも知れないので、共感してもらえる若手技術者が居れば幸いです。サラリーマン時代に強く言ったら問題になるような思想やコメントもあるから言えなかった部分もあるかも知れません。

 さて、本題である若手技術者に伝えたいことですが、結局、普通の話で、次のようなことです。

 ・苦労は買ってでもせよは大体正解だと思う件
 ・上長や先輩の勉強しろという苦言は正しいと思う件
 ・横のつながりを大事にせよと強く言いたい
 ・他社の技術者との交流機会があったら無駄にしたらもったいない
 ・結局のところ会社が育ててくれる訳ではない

 ほら、普通じゃん。知ってるし。とか言われる。
 まぁ、そう言わずに。
 どういうことか、既に言わずもがなかも知れませんが、引き続き、そんなようなことを説明しますね。

(1)苦労は買ってでもせよは大体正解だと思う

 言いたいのは「苦労しない奴は成長しない」ということ。
 昔の人のコトワザなんて、と思うかも知れません。しかし、建設コンサルタントで勤めていると資格を取得して、やがて主担当者や管理技術者といった役割を担って責任が重くなってくる。これが結構重要なポイントです。

 若いうちは言われたことをやるという姿勢で、かつ、工期末に診断書持って逃げるという必殺技も使えよう。しかしながら、責任が重くなってくると逃げるというコマンドは使えない。もちろん使う人もいる。鬱だとか、ぎっくり腰だとか診断書という武器をいい歳して使う人もいる。
 だがそんなのは稀なケースで、逃げるなら会社辞めるくらいの覚悟が必要になってくる。だって全てが終わった後に、素知らぬ顔で出社してくる度胸がある人間は、そうは居ない。

 なので、責任が大きくなる前に、様々な経験や苦難を乗り越える経験をしておかないといけない。
 資格(技術士)だけ取って、打たれ弱いまま管理技術者になると、逃げる=一発退場もあり得る。
 十分な経験を積まずに資格だけ先行する若手も可哀そうなのだが、そうは言っても、日頃から資格に恥じない経験を積むことを忘れないようにしないといけない。 

 買ってまで苦労せよとは言わないが、誰かがやらねばならない、誰もやろうと言わない、なら、俺がやるか、そんな道を歩んでほしい。仲間が工期に間に合わず苦しんでいる。俺はその業務には関係ないから帰る。では無く損得勘定ナシで、俺でよければ何かやろうか?と聞いてあげるのだ。

 結果、周りより(ライバルより)、より多くの経験を積めること、前向きに進もうとするスタンスが、あなたを素晴らしい技術屋にしてくれるはずです。

(2)上長や先輩の勉強しろという苦言は正しいと思う

 言いたいのは「勉強しない奴は技術者ではない」ということ。
 学校出たら勉強お終い。って人が多い。気持ちはわかる。自分も最初はそうだった(笑)
 勉強って何さ?というかも知れないが、そんな難しい話ではない。
 基準書を読みなさい。しかも、今やっている業務のみでは無く、部署に関係する基準書を片っ端から読んでいく、そしてどこらへんに何が書いているという事を頭に入れるのです。
 それで十分。

 最近見てきた若手は、基準書を見ずに過去の成果を真似して上書きしながら作業して、それが合っているかもどうかも解らないというのが多い。
 そうでは無く、あの技術基準書に沿っているな。これはあのページの定数を採っているな。という具合に理解しながら進めないと、技術の仕事を任せることはできない。

 学校の勉強は、建コン等に入社してステージに登るための勉強であって、会社に入ってからの勉強は、本当に人生を左右する勉強であることを強く認識してほしい。

(3)横のつながりを大事にせよ

 言いたいのは「仲間を大切にしろ。上長はほっとけ最後だ(笑)」ということ。
 「(1)」の最後の方にも書いたが、仲間が苦しい時に助けようと動く奴は素晴らしい根性を持っていると思う。早く帰ってゲームしたいと思う気持ちを抑え、見捨てられねぇ!っと一緒に徹夜するなんてことができるヤツはサイコーだ。

 作り話では無く、昔はそんな感じでやっていた。今ならブラックって言われて終いかも知れない。
 また、仕事をやっていて、何かが解らなくなったら上長に聞くのではなく、横の仲間に聞きなさい。そして仲間が困っていたら教えてあげなさい。そうやって助け合う関係を普通にしなさい。
 ギブアンドテイクでも構わない。
 仲間同士であーだ、こーだ言って考えている時こそ、素晴らしく成長が促されているのです。
 上長に聞いて、一発正解回答なんて聞かなくていい。
 本当に詰みそうな時に、上長に行きなさい。

 あと、そのつながりが、別に外注先でも構いやしないんです。
 普段から、横方向に相談し合えるネットワークを構成できていることが重要なのですから。

(4)他社の技術者との交流機会を生かそう

 言いたいのは「世界は広い。井の中の蛙になるな。」ということ。
 入社した会社の風土、雰囲気が全てでは無いということ。会社に居ながら他の会社などを見比べることはできない。
 したがって、良いか悪いかも本当の判断はできない。
 隣の芝生は青く見える、になってないかい?
 それとも裸の王様か?

 こんな時に情報源となるのは学生時代の同僚(同業者に行った)であり、入社後に機会あって知りあった技術者などである。建コン協会の集まりなんかで情報交換するのも良い。
 ついでに外注先の技術者も観察したり情報を聞いてみたりするのも良いでしょう。

 見聞はあらゆるモノ・ヒトを対象とするべし。です。
 そのうえで、自分が偏った判断や意識を持たないよう、矯正していくのです。
 何事も、バランス感覚を大事にしないとね。

(5)成長は自分で探求するものであり会社が育ててくれるなんて迷信だ

 言いたいのは「会社に自分の成長を求めるな。成長を会社(社会)に示せ」ということ。
 よく、会社の育成プログラムは?と聞く就活生がいます。
 もちろん、良きプログラムがあるなら、それにこしたことは無い。
 ですが、建設コンサルタントの世界は教育で技術者が育成できるほど生半可な姿勢でやっていける世界ではない。
 経験、知識、応用力、資格取得、挙げればキリがない事を吸収していかねばならない。
 会社にキッカケは与えてもらえるだろうが、そこから機会を生かすか殺すかは個々に委ねられる。
 勉強会に出たらレベルが1上がる、講習会受けたらスキル値が1上がる、そんなゲームのような世界ではない。自分自身で理解して身につけなければ何の意味もない。
 だから、自分で成長の道を探求し、追い求め、必死に身に着けようとする者ほど成長が早い。
 
 会社(社会)には成長した姿を見せればいい。
 会社が評価してくれない、そんな文句が出ているのなら、何かが足りないのだろう。
 そんな時、相談できる仲間や横のつながりに相談してみるのも良い。
 「(1)~(5)」に向き合って、受け入れ、少しでも行動していれば、何らかの評価はしてくれるはずだから、何かが足りなかったのだろう。
 気づいた時からでもスタートすれば、まだ間に合うかも知れない。
 気づけるだけの心(下地)があるのだから。
 
 こんな言いたい放題な内容ですが、若手技術者には日々、がんばってほしいと言う気持ちがいっぱいです。本物の意識高い系でいきましょう。
 そう、クチだけの嫌われる意識高い系では無く、エビデンス(行動)を伴ったホンモノの意識高い系として頑張ってほしい。
 ファイト!

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