施工した法面工の現場で、稀に変状(損傷等)が発生し、それはどうしてか?どうするんだ?
という話になることがあります。
自然の山を相手にするので、時には上手くいかないこともあります。
そんなこと1回も無いよって人は恐らくいないか、経験数(経歴)が足りないのでは無いかと推測します。
やっぱり長いことやっていると、自分が設計したものでは無くとも同じグループで過去に設計した構造物の変状等、何かに遭遇するものです。
ここで、私が過去に見た変状で、特徴的なものがあったので参考までに写真を添付します。
いずれも鉄筋挿入付き現場吹付法枠工です。

まずは、横枠の下が空いているものです。
これは、植生基材吹付t=3cmがあったところですが、植生は消失してラス金網のみ残っています。
そして、横枠の下が空いてしまっていますが、植生が消失して表層の細粒分が降雨によって流出したものと推察されます。
意外に、よく見る光景でもあります。植生基材吹付の厚み不足か、施工後の雨量不足等での活着不良が原因では無いかと推察されます。
自然斜面の上に載せる際の表土剝ぎ取り等の程度も影響しますよ。
(切土法面でこれが出るとチョット問題かも。)
局所的であれば問題は無いと思われます。

これは、少し見にくいですが、プレートの角あたりから法枠工の内角へ向けてクラック(ヒビ)が入っているものです。
これは、あまり良いものではありません。
法枠工がダメージを受けるということは、何らかの応力が過剰に作用しているということです。
(あくまで、施工がちゃんとしているという前提の話です)
施工直後の収縮亀裂もあり得ますが、鉄筋やフリーフォーム(金網みたいなもの)が入っているので普通はそうそうクラックが入ることはないです。
経過観察をして補強対策が必要な場合も生じるでしょう。
このケースは、次の写真の変状箇所の隣でしたので、隣の緩い斜面部分の沈下による捻じれが勾配境界付近の枠材に生じてしまっているような状態と推察されます。勾配変化する自然斜面への施工ではあり得ることで、自重でダメージを受けてしまったというものです。施工後に発生したその後は拡大は無かったとのことからも整合します。
クラック補修を行って経過観察で良いケースでした。

これはレアケース。めったに見ません。法枠工が沈下して、補強材(鉄筋挿入工)が浮き上がっています。
切土法面では無く、自然の斜面に施工し、かつ勾配が緩い場合はあり得ます。
自然の地山の表層だけ清掃して吹付法枠工を載せる形になるので、その重さで沈下するのです。
ですが、支持力が不足しているのとは、また違うと私は思っています。
つまり、自然の斜面の表層は植生土壌があり極めて緩いわけで、表層土壌の剥ぎ取りが十分でないと、あるいは剥ぎ取っても表層の緩い領域が残っている場合は、法枠工の重みで沈むのは当然の結果となります。
これについては、表層の極めて緩かった部分の沈下(圧密)が収束すれば収まるはずですので、経過観察して浮き上がりの拡大が停止するのを待ってから間詰めする等の対応が必要です。
(このケースは施工後に発現して、その後は収まっているので安定性の問題は無いと考えられます)
特に、鉄筋挿入工の頭部は防食性能(鉄筋を錆びさせない)に関して神経質な場所ですので、丁寧な補修が必要であることは留意が必要です。
可能であればプレートを法枠面まで落として、ナットの締め込みを加え、トルクレンチで締めて密着させるべきです。もちろん充填材の状況を見て無収縮モルタルの詰め込み等も考えなければなりません。
このように、ざっと見ただけでも色々な変状があります。
そして、ここで例に挙げたのは軽微なもので、大ごとにならなかったものです。
設計ミスというよりは、自然相手の不可抗力のウェイトが大きいものでした。
もちろん、施工業者が悪いわけでもありませんでした。
長い技術者人生の中では、時にミスしたり、思いがけないトラブルに遭遇することもあるでしょうが、そういったことを乗り越えていくことも、大きな成長を得られる経験だと思います。
そうならないように適格な照査を受けるよう心がけましょう。
という話になることがあります。
自然の山を相手にするので、時には上手くいかないこともあります。
そんなこと1回も無いよって人は恐らくいないか、経験数(経歴)が足りないのでは無いかと推測します。
やっぱり長いことやっていると、自分が設計したものでは無くとも同じグループで過去に設計した構造物の変状等、何かに遭遇するものです。
ここで、私が過去に見た変状で、特徴的なものがあったので参考までに写真を添付します。
いずれも鉄筋挿入付き現場吹付法枠工です。

まずは、横枠の下が空いているものです。
これは、植生基材吹付t=3cmがあったところですが、植生は消失してラス金網のみ残っています。
そして、横枠の下が空いてしまっていますが、植生が消失して表層の細粒分が降雨によって流出したものと推察されます。
意外に、よく見る光景でもあります。植生基材吹付の厚み不足か、施工後の雨量不足等での活着不良が原因では無いかと推察されます。
自然斜面の上に載せる際の表土剝ぎ取り等の程度も影響しますよ。
(切土法面でこれが出るとチョット問題かも。)
局所的であれば問題は無いと思われます。

これは、少し見にくいですが、プレートの角あたりから法枠工の内角へ向けてクラック(ヒビ)が入っているものです。
これは、あまり良いものではありません。
法枠工がダメージを受けるということは、何らかの応力が過剰に作用しているということです。
(あくまで、施工がちゃんとしているという前提の話です)
施工直後の収縮亀裂もあり得ますが、鉄筋やフリーフォーム(金網みたいなもの)が入っているので普通はそうそうクラックが入ることはないです。
経過観察をして補強対策が必要な場合も生じるでしょう。
このケースは、次の写真の変状箇所の隣でしたので、隣の緩い斜面部分の沈下による捻じれが勾配境界付近の枠材に生じてしまっているような状態と推察されます。勾配変化する自然斜面への施工ではあり得ることで、自重でダメージを受けてしまったというものです。施工後に発生したその後は拡大は無かったとのことからも整合します。
クラック補修を行って経過観察で良いケースでした。

これはレアケース。めったに見ません。法枠工が沈下して、補強材(鉄筋挿入工)が浮き上がっています。
切土法面では無く、自然の斜面に施工し、かつ勾配が緩い場合はあり得ます。
自然の地山の表層だけ清掃して吹付法枠工を載せる形になるので、その重さで沈下するのです。
ですが、支持力が不足しているのとは、また違うと私は思っています。
つまり、自然の斜面の表層は植生土壌があり極めて緩いわけで、表層土壌の剥ぎ取りが十分でないと、あるいは剥ぎ取っても表層の緩い領域が残っている場合は、法枠工の重みで沈むのは当然の結果となります。
これについては、表層の極めて緩かった部分の沈下(圧密)が収束すれば収まるはずですので、経過観察して浮き上がりの拡大が停止するのを待ってから間詰めする等の対応が必要です。
(このケースは施工後に発現して、その後は収まっているので安定性の問題は無いと考えられます)
特に、鉄筋挿入工の頭部は防食性能(鉄筋を錆びさせない)に関して神経質な場所ですので、丁寧な補修が必要であることは留意が必要です。
可能であればプレートを法枠面まで落として、ナットの締め込みを加え、トルクレンチで締めて密着させるべきです。もちろん充填材の状況を見て無収縮モルタルの詰め込み等も考えなければなりません。
このように、ざっと見ただけでも色々な変状があります。
そして、ここで例に挙げたのは軽微なもので、大ごとにならなかったものです。
設計ミスというよりは、自然相手の不可抗力のウェイトが大きいものでした。
もちろん、施工業者が悪いわけでもありませんでした。
長い技術者人生の中では、時にミスしたり、思いがけないトラブルに遭遇することもあるでしょうが、そういったことを乗り越えていくことも、大きな成長を得られる経験だと思います。
そうならないように適格な照査を受けるよう心がけましょう。
コメント