最高(究極、完全)の道路防災対策ってなんだろう?
って、考えた時に、昔の話(業務)を思い出しました。
もう随分と前(30年近くかも)の業務ではあるのですが、福井県の呼鳥門という景勝地で道路防災の仕事を手伝ったことがあります。
その頃は若手でしたので、まさに手伝うという立場でしたね。勉強、勉強、の日々でした。
呼鳥門とは、礫岩が風化作用を受けて形成されたトンネルのような橋のような形状をなす景勝地です。高さが約15m、幅約30mをなしており、1958年(昭和33年)福井県道6号福井四ヶ浦線開通時に、知事が「渡り鳥を呼ぶ門」として「呼鳥門」と名づけたとのことです。1970年(昭和45年)の国道305号格上げをされています。
防災上の問題が指摘され、2002年(平成14年)3月の「呼鳥門トンネル」へのルート振り替えまで間、国道では全国唯一の天然トンネルであったが、現在では呼鳥門の下には入れない。
そんな呼鳥門で約30年前に何をしたかというと、その当時の呼鳥門はロックシェッドで防護されたトンネルのようなもので天然岩盤トンネル下を抜ける構造で、防災対策の強化が課題となっており、その対策設計が実施されました。当時の写真を探したのですがデジカメ(電子納品)の時代ではなかったので、手元には残っていませんでした。ネットで探すと残っているのはありますね。景観に配慮したトンネルのようなものが写っているはずです。
デジカメ創成期だったのでネットでも写真は少ないですね。
その当時からルート振り替えの話があって検討が進んでいたはずですが、トンネル1本作るのには相当な時間がかかります。
事業計画~予算獲得、地質概査(資料調査、地表踏査、弾性波探査~)、地質精査(ボーリング調査~各種試験)、予備設計、詳細設計、工事着手~完成までのプロセスが必要で、なかなか簡単ではありません。どんな事業も同様ですが。
そのルート振り替えの呼鳥門トンネルが完成するまでの間、防災対策の強化として、天然岩盤アーチ部分の直接補強が必要とされていました。呼鳥門全体が落下するとロックシェッドが耐えられない。
そのネット工の設計を当時所属していたチームがやっていたので、補助職として参加したのです。
当時は、何しているのか、さっぱり解りませんでした。本当に無知識の若手技術者でしたので。
(全体が落ちない対策では無く、キーストーンが落ちないようネットで巻くようなイメージ)
あと、随分前のことで、かつ補助職参加でしたので、経緯等で多少の誤認はあるかもしれません。
誠に恐縮ではございますが、その点はお許しください。
以下の写真は、以前ですが久しぶりに見に行った時のもので、呼鳥門トンネルにルート振り替えにより防災上のリスクは排除された状態となっています。
このようなルート振り替えこそ、究極(完全)な防災対策だと私は思います。
山岳道路だと、トンネル~橋梁~トンネル~橋梁~トンネル、みたいな構成となってしまいます。
この場合は、交通安全面での課題が生じるので、その対策は別途必要です。

(全景:呼鳥門トンネルと呼鳥門/金沢側から京都側を見た写真)

(道路改良後の廃道となった呼鳥門側の写真/上写真の右側拡大写真)
冒頭で書いた最高(究極、完全)の道路防災対策というのは、このようなルート振り替えになるのだとうと改めて思い出し、考えました。
ちなにみ、説明していませんでしたが、呼鳥門トンネルの開通後、呼鳥門側はロックシェッド等の施設は撤去され、景勝地としての性能?がアップされた元々の状態になっています。残念ながら、立ち入り禁止となっています。
昔は、この下をバンバン車が通っていたんですよね。
このような、目で見て明らかに解る対策を見ると、少しづつですが、着実に、日本の道路の防災対策が進んでいることを感じることができます。
一般の方が気が付かないものも含めると、日本のあちこちで防災対策が進んでおり、安全、安心な道路のためたくさんの人たちが頑張っているんです。私も、米粒、砂粒、コロイド粒くらいかも知れませんが、斜面・道路防災技術者として力になれるよう頑張って参ります。
って、考えた時に、昔の話(業務)を思い出しました。
もう随分と前(30年近くかも)の業務ではあるのですが、福井県の呼鳥門という景勝地で道路防災の仕事を手伝ったことがあります。
その頃は若手でしたので、まさに手伝うという立場でしたね。勉強、勉強、の日々でした。
呼鳥門とは、礫岩が風化作用を受けて形成されたトンネルのような橋のような形状をなす景勝地です。高さが約15m、幅約30mをなしており、1958年(昭和33年)福井県道6号福井四ヶ浦線開通時に、知事が「渡り鳥を呼ぶ門」として「呼鳥門」と名づけたとのことです。1970年(昭和45年)の国道305号格上げをされています。
防災上の問題が指摘され、2002年(平成14年)3月の「呼鳥門トンネル」へのルート振り替えまで間、国道では全国唯一の天然トンネルであったが、現在では呼鳥門の下には入れない。
そんな呼鳥門で約30年前に何をしたかというと、その当時の呼鳥門はロックシェッドで防護されたトンネルのようなもので天然岩盤トンネル下を抜ける構造で、防災対策の強化が課題となっており、その対策設計が実施されました。当時の写真を探したのですがデジカメ(電子納品)の時代ではなかったので、手元には残っていませんでした。ネットで探すと残っているのはありますね。景観に配慮したトンネルのようなものが写っているはずです。
デジカメ創成期だったのでネットでも写真は少ないですね。
その当時からルート振り替えの話があって検討が進んでいたはずですが、トンネル1本作るのには相当な時間がかかります。
事業計画~予算獲得、地質概査(資料調査、地表踏査、弾性波探査~)、地質精査(ボーリング調査~各種試験)、予備設計、詳細設計、工事着手~完成までのプロセスが必要で、なかなか簡単ではありません。どんな事業も同様ですが。
そのルート振り替えの呼鳥門トンネルが完成するまでの間、防災対策の強化として、天然岩盤アーチ部分の直接補強が必要とされていました。呼鳥門全体が落下するとロックシェッドが耐えられない。
そのネット工の設計を当時所属していたチームがやっていたので、補助職として参加したのです。
当時は、何しているのか、さっぱり解りませんでした。本当に無知識の若手技術者でしたので。
(全体が落ちない対策では無く、キーストーンが落ちないようネットで巻くようなイメージ)
あと、随分前のことで、かつ補助職参加でしたので、経緯等で多少の誤認はあるかもしれません。
誠に恐縮ではございますが、その点はお許しください。
以下の写真は、以前ですが久しぶりに見に行った時のもので、呼鳥門トンネルにルート振り替えにより防災上のリスクは排除された状態となっています。
このようなルート振り替えこそ、究極(完全)な防災対策だと私は思います。
山岳道路だと、トンネル~橋梁~トンネル~橋梁~トンネル、みたいな構成となってしまいます。
この場合は、交通安全面での課題が生じるので、その対策は別途必要です。

(全景:呼鳥門トンネルと呼鳥門/金沢側から京都側を見た写真)

(道路改良後の廃道となった呼鳥門側の写真/上写真の右側拡大写真)
冒頭で書いた最高(究極、完全)の道路防災対策というのは、このようなルート振り替えになるのだとうと改めて思い出し、考えました。
ちなにみ、説明していませんでしたが、呼鳥門トンネルの開通後、呼鳥門側はロックシェッド等の施設は撤去され、景勝地としての性能?がアップされた元々の状態になっています。残念ながら、立ち入り禁止となっています。
昔は、この下をバンバン車が通っていたんですよね。
このような、目で見て明らかに解る対策を見ると、少しづつですが、着実に、日本の道路の防災対策が進んでいることを感じることができます。
一般の方が気が付かないものも含めると、日本のあちこちで防災対策が進んでおり、安全、安心な道路のためたくさんの人たちが頑張っているんです。私も、米粒、砂粒、コロイド粒くらいかも知れませんが、斜面・道路防災技術者として力になれるよう頑張って参ります。
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