道路防災対策といっても、路線の付け替えやトンネル化といった抜本的な対策から局所的なリスクに対応するための対策まで様々であり、とても分野幅が広い。

 私が専門とするのは後者の方で、局所的、あるいは特定の区間において落石や土砂崩壊等のリスクがある場所や、既に崩壊や落石の被害を生じた場所における対策工の設計をメインとしています。
   
 山岳地あるいは丘陵地の道路を走っていると、山手側にはさまざまな構造物があるのを目にすると思います。これらが大抵の場合、防災対策工であると思って間違いありません。
 私が設計した現場を事例に写真を示しました。
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(手前が落石防護柵。奥がポケット式ロックネット)
(斜面上方では見えませんが小割除去を併用しています)
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(吹付法枠工)
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(鉄筋挿入付き吹付法枠工。このケースは道路より下側の補強対策)

 最初の写真が一般的な落石対策工で、ストンガード(落石防護柵)、ポケット式ロックネットです。山間部では結構な頻度で道路に設置されていると思います。

 二番目の写真が、単純な吹付法枠工です。斜面(法面)が表層崩壊しないように覆うものです。これも結構な頻度で見られる対策工です。

 三番目の写真が、鉄筋挿入付き吹付法枠工です。補強材と呼ばれる鉄筋を地中に挿入し、グラウトで固定することでスベリ崩壊に対抗します。これまた結構な頻度で採用されるのですが、一般の方が見た場合、二番目の吹付法枠工と同じに見えることもあるでしょう。  
 法枠工の交点に、補強材の頭部工が見えるか見えないか、だけの違いです。

 ここに示した対策工については、コツさえつかめば比較的簡単な設計作業になります。
 もっとも、それでも大事なステージはあります。現地の状況からどのようなリスクが認められ、どのようなモデルとして考え構造計算するか、という部分になります。
 極端かも知れませんが、その部分が固まれば、あとは基準に従った作業をすればよいという感じです。

 別の記事でも書いてますが、やはり基本的な部分がしっかりと固まっているかが設計業務の重要な部分であると思います。

 ここに示した一般的な対策工のほかに、規模の大きいスベリや地すべりを抑えるグラウンドアンカー工や、規模の大きい落石を防護する高エネルギー型の柵工ならびにネット工など、様々な対策工種ならびに工法があります。

 その先には各種メーカー製の製品化された対策工法もあるため、全てを網羅して設計できるような技術者はそうは居ないでしょう。正直、私も全部は無理です。
 できない部分は、仲間の技術者達と相互補完しつつ対応していくのが基本ではないでしょうか。