技術士は、建設コンサルタントにおいては最重要資格のひとつです。
会社として必要なのはもちろんですが、個人に与えられる国家資格なので、その人の人生にかかわってきます。
私も、受験者の論文を添削する機会があったりしますので、簡単ではありますが、アドバイスのようなことを書いておきます。
(1)論文の組み立て能力
受験勉強では想定問題をイメージして練習論文を多数書き込みます。しかし、試験会場で問題を開いた段階で予想していた問題傾向と異なる問題が出題されてパニックになりそうになります。このような窮地に陥っても諦めずに最後まで戦い抜くことが合格するために必要であるのですが、当然ながらヤマを張る試験でもないことも併せて申し上げておきます。
そもそも、試験対象範囲は広く、その中から予想テーマを当てるだけでも難しい状況で、さらに回答の方向性までも当てることは至難の業です。予想していたテーマに関連する広い範囲で勉強し、それに近い内容が出題されたら、後はもてる知識を組み合わせて出題された内容に可能な限り沿って論文を書けるという下地を完成させておくことが試験勉強といっても過言ではありません。この下地は、知識のブロック記憶に加えて、記憶したブロックを使いこなし、そのうえで評価される論文を書くことです。
具体的にはどのようなテクニックがあるかを以下に示しました。
まず、真っ先にポイントとなるのが、「自分の意見」「自分の文章」であること。これがなければ得点は伸びません。受験者全員が似たような記述(回答)をするわけで、その中でキラリと光る、つまりは採点者の気持ちを掴む記述をすることが合格するために要求されます。
では、具体的にはどのように記述するのか?
口で言うのは簡単ですが、どうやって自分の意見として記述するのか?
その一例は次のとおり。記憶したパーツやブロックへ入る前振りや次項(章)への接続を、自分の意見、考えであることを明示する語句を使いスムーズに記すことにあります。にわかに信じられないかもしれませんが、この部分に注意するだけで論文は飛躍的に美しくなります。
ただし、この接続は、問題分に問われた事に完全対比したコメント(記述)とすることが絶対条件です。丸ごと記憶した文章の丸写しでは無い、問題文に完全に対比した、流れるような接続こそが自分の意見、考えを記す第一歩となるのです。
簡単な例を示しますので、参考としてください。
1.○○の情勢及び○○が必要とされる背景
我が国の○○は、
ここに記憶しているパーツ・ブロックを、概ね丸写し書きする(〇〇に対するブロック記憶部分)
このような情勢より、私が考える○○が必要とされる背景は、○○○○であり、○○○なども挙げる事ができる。このような背景を受けて、私が考える、今後の○○整備の課題について、次項に記述する。
2.○○整備の課題
前述に示した情勢ならびに私が考えた課題は、次の通り。
(1)○○○の構築
ここに記憶しているパーツ・ブロックを、概ね丸写し書きする(〇〇の構築のブロック記憶部分)
(2)人材育成とマネージメントの工夫
ここに記憶しているパーツ・ブロックを、概ね丸写し書きする(人材育成とマネジメントのブロック記憶部分)
これらの課題について解決し、持続的な○○を展開するための具体策について、私の考えを次項に記述する。
3.私が考える持続可能な○○について
これまでの情勢や背景ならびに課題等を解消していくことで、持続可能な○○を展開することが可能と考えるが、重要なポイントは、PDCAサイクルを確立し、常に改善を重ねていくことである。
また、これらを具体化する上で次に示すストックマネジメントを導入することが最適な解決策と考える。
ここに記憶しているパーツ・ブロックを、概ね丸写し書きする(ここだとストックマネジメントのブロック記憶部分)
このようなストックマネジメントの手法によって、持続可能な○○を展開することが可能となり、ひいては国民生活の安全性や利便性向上を果たすことになると私は考える。
こんな感じで、問題文に対してカタチをまとめることがテクニックのひとつです。
(2)時間内に手書きする能力
試験当日の解答は全て手書きです。出題に対応した解答をすることは当然ですが、時間内に書ききらなければ得点が得られません。つまり手書き力が必要なのです。このため、書く練習は必須です。パソコンで切って貼ってする書き方しかしない人に、後戻りできない手書きの一発勝負は勝てません。必ず何回も手書きの模擬解答をトライしてください。手書きの模擬解答にトライすることで、試験本番では考えている暇が殆ど無いことを実感することもできます。
このほか、模擬試験や自己トライアルで解答論文を書く際には、資料や参考論文を見ずに試験時間を設定して、記憶した知識をもって記述するようにしましょう。そうしないと実力が計れず対応策を練れません。理由として、練習論文は非常によく書けているのに、本番では合格水準に達しない人が少なからずいることです。推測ですが、時間を縛らず、参考資料を見ながら書くことを主としている(書き上げた論文を記憶する)人は、本番の試験に弱いのだと思います。
本番の試験で合格点を勝ち取るには、定められた時間内に、出題内容に沿った解答を書きながら自分の知識のみで次に書くことを考えるパラレル型の思考力も訓練しなくてはならないのです。
皆さん、「自分のため」に、一生懸命がんばって勉強してください。
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