「土砂災害特別警戒区域で人命が失われるってナゼ?」

 これって?
 どういうことなんだろう?
 そう、思ってしまいます。

 こんにちは。
 斜面防災設計の上岡地盤防災です。
 今日は、違和感というか、腑に落ちないというか。。。。
 なんだか、どうしてなんだろう?って思う話です。

 そう、土砂災害警戒区域等の危険区域に指定されている場所で人命が失われているってニュースで見ました。そう、レッドゾーン指定箇所でも人命が失われている。。。。
 もちろん、指定されていない場所でも人命は失われている現実はあります。
 ですが、少なくとも危険区域に指定されているところで、警戒情報が流れているにもかかわらず、人命が失われている。。。。ということ。 (土砂災害警戒区域やその他危険区域指定箇所でも同じことです)。
 そのことが、どうしても腑に落ちないのです。
 
 そこは、特別危険だから、特に注意してくださいねって場所なんだけれども。。。。
 それを指定して、住民にも通知されているはずです。
 指定されるときに住民説明会なんかあったりして。
 なぜ、避難していないのか?
 例えば、今、一番わかりやすい危険箇所の指定(明示)であろうと思われる土砂災害警戒区域等の指定から見た場合、イエロー(警戒区域)とレッド(特別警戒区域)があって、レッドの方は命の危険があるからレッドゾーンなんです。
 以前(2024)に書いた記事に土砂災害警戒区域(レッド,イエロー)とそうでなくても危険って記事を書いてました。
 興味のある人はどうぞ。

【関連記事(レッドゾーンもイエローゾーンも色が無いトコも危険)】
>>>土砂災害特別警戒区域レッドゾーン、土砂災害警戒区域イエローゾーン どっちも危険(そして色が付いていないトコも安全と限らない)


 様々な事情があるにせよ、そこで死んではならないと思う。
 特別警戒区域に限らず、危険だよ!って指定されている類の場所で命を落とすのは悔やんでも悔やみきれないってことになっちゃう。
 死なないように、危険だからと周知するために、避難体制を組むために区域指定しているんですもの。
 それが効果を発揮していない?
 机上の空論が起きている?

 何れにしても、なんだか、違和感しかない。
 土砂災害防止エンジニアの側から見ているからかも知れない。

 その原因は、恐らく、大丈夫だろう症候群なんだろうと私は思う。
 今まで大丈夫だったんだから。
 今回も大丈夫。
 うちに限ってそんなことは無いでしょ?
 私には関係ないはず。

 そういう思いが出ちゃうのだと思うけれども。
 なんか、ありましたね。
 「正常性バイアス」?
 「異常事態は起きない」と考えてしまう思考パターンの一種。
 これが悪さをしているのではないかと。
 それによって、避難しない、周りの人が避難を促さない等の問題が起こっているんだと思う。
 だから、親族や地域ネットワークをもって対応しないとダメなんだとも思う。

 とにかく、砂防指定とか急傾斜地とか、様々な危険を知らしめるモノに対して、無視できない気象環境になってきていると思います。
 昨日までの安心は、今日から通用しない。
 そんな気象環境になっちゃった。。。。。

 これは、変えられない。
 地球温暖化の影響というから、結局、人間がやったことのしっぺ返し。
 文句言えない。。。。

 だけど、危険箇所から逃げることは可能。
 危険な状況の時に、逃げるのは、もはや義務になりつつあるのでは?
 そう、思ってしまいます。

 だって、逃げずに被害に逢ったら、なんで逃げなかったん??
 そう、言われる時代になっていると思うからです。

 逆に?逃げなきゃ非難される時代になったんでしょう。
 非難されないように、逃げなきゃ!
 避難しなきゃ!
 ややこしいけど、そういうことだと思う。

 とにかく、紙のハザードマップでもネット版でも何でもいいから、見直して身の回りの危険を再認識しておくことが大切だと思います。
 そして、何らかの法的危険区域の指定がされているところは、明らかに危険なんです。
 大丈夫だろうなんて、思っちゃだめ!
 避難場所を確認して、避難訓練もやる。
 自分で避難所まで歩いていったりするシミュレーションでもいいじゃないですか。
 あとは、家族や親族がそういった危険区域に住まれている場合は、避難を催促するネットワークを親族間で構築しておくことも大切だと思います。公共に全てを委ねられるほど、公共に余裕はないですよ、きっと。
 だから、必然的に自助ネットワークを構築しておかないといけない。
 今や自助はソフト対策のコアになりつつあると思っています。
 現状、公共は危険箇所を知らしめ、そして避難を通知することしかできない。
 これからもそうでしょう。
 家に迎えに来てくれるなんて、未来永劫ありえんでしょう。
 隅々までなんて手は回らないのですから。
 そして、ひっきりなしにハザードは襲い掛かる。
 故に、自助ネットワークこそが命を守る第一歩であり、要なんです。
 脱!「正常性バイアス」!

 そもそも、全国で、観測史上、最大!って言葉が毎年連呼されているんです。
 だから、次の豪雨なんかで、自分の住んでいるところにも過去最大が来るかもしれない。
 大丈夫なんて保証はもうない。
 これまで大丈夫だったのは、もう、過去の話なんだと。。。。
 そう、思った方がいい。

 そして!
 コレ!重要!
 指定されていなくても危険箇所はワンサカあるということ。
 指定される条件があって、それに達してなければ指定されていない。
 例えば土砂災害警戒区域(急傾斜地)の基準は30°以上の斜面が5m以上の高さであること。
 そして、住居、宅地、宅地開発可能土地であること。
 そう、程度の問題。
 条件の問題。

 地球上のモノは基本、平らになろうとします。
 つまり、斜面があれば必ず崩れます。
 いつかかならず。
 窪みがあれば水は溜まります。
 だから、危険区域に指定されてなくとも、そのような条件にあるのであれば油断してはいけない。
 避難するのが好ましい。
 山(斜面)は、いつか崩れる。
 水は必ず低いところに溜まる。
 排水口は放置すれば詰まる。
 その時間軸が、遠い未来か、明日か分からない。
 それは誰にも分からない。
 だから、安全だなんて思っちゃいけない。

 私も土砂災害防止エンジニアの端くれ。
 もう、これ以上、救えるはずの命が失われないように。
 切に願います。


 ちなみに、土砂災害の初心者?向けに、身を守る基本的なことを記事にしたことがあるので興味があれば見て行ってください。
【関連記事(「土砂災害」「身を守るために最初にすべきこと」)】
>>>簡単に「土砂災害」とは?身を守るために最初にすべきことは?(自分の居る場所のリスクを知ること) 


 災害レベル次第ではありますが、頻度の高いレベル(数年単位でくるような発生確率の高い規模)の災害であれば、誰も命を落とさないで逃げることは可能だと思います。
 そう、確認と行動です。


 もうひとつ参考に。
 山(斜面)はいつか、必ず崩れる。。。。
【関連記事(あちこちで斜面崩壊!「日本の家の裏山は大丈夫なのか?」)】
>>>あちこちで斜面崩壊!「日本の家の裏山は大丈夫なのか?」それはケースバイケースで一概に言えない。。。。気になるなら専門家にリスクを見てもらおう


 極論ですが、日本の国土には、安全な場所なんて、ないんですね。
 そう、考えておくのが、妥当だと思います。