「クリノメーター・コンパス」
こんにちは。
斜面防災設計の上岡地盤防災です。
以前、私のブログで紹介しました。
>>>地質屋さんの小道具(2)クリノメーターコンパス(クリコン)
このクリノメーター・コンパス。
「コンパス」はつけなくてもいいけど付けた方が聞こえがいいので付けます。
クリノメーターともクリノコンパスとも言います。
呼び名の正解は、知りません(笑)
あえて書くならクリノメーター(コンパス)が正解か?
それはさておき、様々なシチュエーションで使用されます。
地質調査の道具ですけれども、構造物の変状や変形等の観察にも使えます。
単純に、方位や角度を測るだけでも使えます。
鏡があるタイプは目にゴミが入っても対応可能です(笑)
最近はプラスチック製もあるそうですが、私は古いタイプしかもっていません。

水平を維持し方位を測れるので面の走向(面の向く方位)が測れる。
当然ながら単純に方位も測れる(NSが逆に表示されていることの留意すれば)。
そして単純に角度が測れる。
ものさし(メモリ)が刻まれているモノも多いですので長さも測れます。
要するに、コンパスとスラント等が一緒になったようなモノなのです。
そして、測る面(モノ)は、何だっていいのです。
そんなクリノメーター・コンパスの一番の出番はやはり。。。。
地質構造の「走向・傾斜」の測定でしょう。
もちろん、ソレにもいろいろあって、断層だの地層の層理面だの節理面だの、いろいろとあります。
今回、使用例を示した(すの)は、コレ。

「断層面」の測定。
しかも、すべり面として出現したモノで、一番簡単?なシチュエーション。
そう、断層面を境界として、その上位の岩盤が崩落した現場。
結構な範囲で面が露出しているので簡単に捉えることができる。
あくまで、比較論として簡単な部類と示しましたが、絶対値?としては簡単ではないですからね(笑)
ちなみに、断層と一言に言っても、今話題になっている地震を起こす規模の大きな活断層から、それらに派生して出来た古い小断層がたくさん存在しているのです。
小さい断層あるいは断層破砕帯なんて、そこらじゅうにあるものなのです。
くれぐれも、地震に直結するような活断層(TVに出てくるような)だけしか断層が無いって思わないようにしてくださいね。
断層あるいは断層破砕帯なんて、無尽蔵にあると言っても過言ではないのです。
そのほとんどは、既に死んでいる昔の傷跡なので地震等の発生に起因はしませんが、斜面崩壊や地すべり等の発生につながる弱線となりえるので、斜面防災分野では厄介な存在なのです。
もちろん、写真の断層(面)については古い活動していない小断層でしょうが、それがどこの現場かは書けないし、どこか判るような写真はつけれません。
あくまで、拡大した事例としての写真だけ添付しますよ。
当然ですが(笑)
ほんとは全景とか付けて、解りやすくしたいのですが、守秘義務の壁があります。
写真のカナヅチ(地質ハンマーではない)、点検用ハンマーなのですが、これを置いた面が断層面です。
層理面とは別に完全な面をなしている状況です。
そして、これを境にして、上にあった岩塊は崩壊してしまいました。
そう、ですので、崩壊機構を想定する次のようになります。
端的に書きます。
【素因】
斜面に対して流れ盤方向の断層が走っており、その上位の岩塊はCL級を主体とするものの一部でD級相当まで風化が進行していた。
(D級岩盤とは強風化岩程度のイメージです。その上CL級が風化岩相当。流れ盤はスベリ台のイメージ。)
【誘因】
豪雨による浸透水が誘因となり、断層面上位の岩塊総重量を増加させた、あるいは亀裂面に沿って浸透した雨水が断層面に対しての間隙水圧を増加させ崩壊に至った。
経年的な重力によるクリープによる歪の蓄積もあったでじょう。
これは素因に入れるか、誘因に入れるか迷うところです。
最終的なトリガーを誘因とするならば、素因に入れないといけないですね。
どちらに入れるかは、説明の仕方にもよるし、技術者の思想にもよるでしょう。
絶対にどっちだって、話ではないと思います。
いずれにしても、崩壊機構の想定をしなければなりません。
これが大事。
そう!、設計検討(安定解析含む)を行うためのモデル化です。
あとに書きますが、モデル化が重要なのです。
余談ですが、想定、推定の域を脱しにくい場面においても、「絶対〇〇だ!」っていう人って稀に居ますけれども、どこからその自信が来るのか不思議ですけれどね。。。。
ある意味、神の領域なのか?!(笑)
私は、怖くて絶対なんて言えません。。。。

話が逸れましたが。。。。
走向・傾斜は、このように測定します。
さきほどの写真の面に当てています。
断層面なので、きれいな面をなし、クリコンを当てやすいのです。
測定は面に対してクリノメーター・コンパスを置く(沿える)ことで行います。
そして、水準器(気泡タイプ)をもって水平に保持します。
そしたら、コンパスで方位を読みます。
このまま読んでもいいし、固定ピンを押して固定した状態で手元にもってきて読んでもいい。
その後、先ほど測定した水平方向に直交する方向の角度を読みます。
写真は無いですが、クリノメーター・コンパスを立てて面に沿わせます。
コンパス内のブラブラする部分で角度を読めます。
擁壁の前面勾配を読んだりするのにも使えます。
この測定結果を図面に落とします。
例えば「N45°E 45°S」。
北西45°方向に面が走り、南側へ45°の勾配で落ちる傾斜をなしている。
そう読めます。
図面に落とすときは、層理面なのか節理面なのか、はたまた断層面なのか等の区別がつくように表示の形状が微妙に異なります。
まぁ、その先を(あるいはもっと詳しく)知りたい人は、この道に弟子入りしてください。
そう、斜面防災関連の仕事をする会社や人に弟子入り(入社)。
アルバイトでもいいや(笑)
なんで地質調査の道具で斜面防災関連って??
そう、純粋な地質調査だけする会社は極論、無いので。。。。。
研究機関とかならあるかな?
そんなことで、斜面防災関連の会社へ行くのが一番なのかな?って個人的思いです。
また話が逸れた(笑)
本題に戻します。
斜面防災の仕事は、調査サイドにしろ、設計サイドにしろ現場の状況をモデル化することが重要です。
いくら現地状況を把握しても、それを設計(解析)するモデル化ができなければ成果品の価値が小さくなってしまいます。
崩壊機構を想定し、既に起こった崩壊の過程、そして、今後生じうる崩壊等のリスクを抽出(想定、指摘)することが重要なプロセスなのです。
更に、それを断面図として具現化?(モデル化)する。
このモデル断面図を基にして、安定計算(解析)を行い、対策工を検討、設計していくのです。
その最も大事な芯の部分になるわけですから、とっても重要な部分なのです。
難しいモノを簡単なモデルで示せる技術者ほど素晴らしと私は思っています。
逆に、簡単なモノを小難しく言う技術者は、アカンです(笑)
そして、当然ながら、そのリスク抽出が間違っていた(ちょっと納得できない)となると、全部やり直しですからね。。。。悲惨です。
なので!
その技量を磨いていくのが斜面防災の技術者(調査屋であれ設計屋であれ)の道でしょう。
斜面防災分野に限らずでしょうけれども。。。。。
ひとつの例として。
そして最後になりますが、タイトルにあるモデル化に必要な情報を取得するためにクリノメーター(コンパス)で地質情報等を取得するのです。
なので、闇雲に走向・傾斜なんかを測れば良いという訳でもないのです。
もちろん、闇雲にたくさん測って後で取捨選択するのもアリですけど。。。。
現場で、概ね、対象の状況なるものの推測がついている状態で、測るのが理想でしょう。
だいたいの斜面防災技術者は、現場を見た段階で、概ね現場状況を理解してしまうでしょう。
そんなもんだと思います。
その推測(理解)した現場の内容の証拠(根拠)なるものを地表踏査や、地質調査で取得し、武装(モデルの根拠取得)していくのです。
そのひとつが地表踏査によるクリノメーター(コンパス)での情報取得になるわけです。
当然ながら、出番のない現場だってたくさんあります。
だよね?(笑)
違ってたら御免なさい。
そんなことで。。。。
この道(斜面防災関連)にいる人は、もしかしたら、どこかで私と遭遇するかもしれませんね。
その時を楽しみにして待ってます(笑)
変な〆方でスミマセン。
こんにちは。
斜面防災設計の上岡地盤防災です。
以前、私のブログで紹介しました。
>>>地質屋さんの小道具(2)クリノメーターコンパス(クリコン)
このクリノメーター・コンパス。
「コンパス」はつけなくてもいいけど付けた方が聞こえがいいので付けます。
クリノメーターともクリノコンパスとも言います。
呼び名の正解は、知りません(笑)
あえて書くならクリノメーター(コンパス)が正解か?
それはさておき、様々なシチュエーションで使用されます。
地質調査の道具ですけれども、構造物の変状や変形等の観察にも使えます。
単純に、方位や角度を測るだけでも使えます。
鏡があるタイプは目にゴミが入っても対応可能です(笑)
最近はプラスチック製もあるそうですが、私は古いタイプしかもっていません。

水平を維持し方位を測れるので面の走向(面の向く方位)が測れる。
当然ながら単純に方位も測れる(NSが逆に表示されていることの留意すれば)。
そして単純に角度が測れる。
ものさし(メモリ)が刻まれているモノも多いですので長さも測れます。
要するに、コンパスとスラント等が一緒になったようなモノなのです。
そして、測る面(モノ)は、何だっていいのです。
そんなクリノメーター・コンパスの一番の出番はやはり。。。。
地質構造の「走向・傾斜」の測定でしょう。
もちろん、ソレにもいろいろあって、断層だの地層の層理面だの節理面だの、いろいろとあります。
今回、使用例を示した(すの)は、コレ。

「断層面」の測定。
しかも、すべり面として出現したモノで、一番簡単?なシチュエーション。
そう、断層面を境界として、その上位の岩盤が崩落した現場。
結構な範囲で面が露出しているので簡単に捉えることができる。
あくまで、比較論として簡単な部類と示しましたが、絶対値?としては簡単ではないですからね(笑)
ちなみに、断層と一言に言っても、今話題になっている地震を起こす規模の大きな活断層から、それらに派生して出来た古い小断層がたくさん存在しているのです。
小さい断層あるいは断層破砕帯なんて、そこらじゅうにあるものなのです。
くれぐれも、地震に直結するような活断層(TVに出てくるような)だけしか断層が無いって思わないようにしてくださいね。
断層あるいは断層破砕帯なんて、無尽蔵にあると言っても過言ではないのです。
そのほとんどは、既に死んでいる昔の傷跡なので地震等の発生に起因はしませんが、斜面崩壊や地すべり等の発生につながる弱線となりえるので、斜面防災分野では厄介な存在なのです。
もちろん、写真の断層(面)については古い活動していない小断層でしょうが、それがどこの現場かは書けないし、どこか判るような写真はつけれません。
あくまで、拡大した事例としての写真だけ添付しますよ。
当然ですが(笑)
ほんとは全景とか付けて、解りやすくしたいのですが、守秘義務の壁があります。
写真のカナヅチ(地質ハンマーではない)、点検用ハンマーなのですが、これを置いた面が断層面です。
層理面とは別に完全な面をなしている状況です。
そして、これを境にして、上にあった岩塊は崩壊してしまいました。
そう、ですので、崩壊機構を想定する次のようになります。
端的に書きます。
【素因】
斜面に対して流れ盤方向の断層が走っており、その上位の岩塊はCL級を主体とするものの一部でD級相当まで風化が進行していた。
(D級岩盤とは強風化岩程度のイメージです。その上CL級が風化岩相当。流れ盤はスベリ台のイメージ。)
【誘因】
豪雨による浸透水が誘因となり、断層面上位の岩塊総重量を増加させた、あるいは亀裂面に沿って浸透した雨水が断層面に対しての間隙水圧を増加させ崩壊に至った。
経年的な重力によるクリープによる歪の蓄積もあったでじょう。
これは素因に入れるか、誘因に入れるか迷うところです。
最終的なトリガーを誘因とするならば、素因に入れないといけないですね。
どちらに入れるかは、説明の仕方にもよるし、技術者の思想にもよるでしょう。
絶対にどっちだって、話ではないと思います。
いずれにしても、崩壊機構の想定をしなければなりません。
これが大事。
そう!、設計検討(安定解析含む)を行うためのモデル化です。
あとに書きますが、モデル化が重要なのです。
余談ですが、想定、推定の域を脱しにくい場面においても、「絶対〇〇だ!」っていう人って稀に居ますけれども、どこからその自信が来るのか不思議ですけれどね。。。。
ある意味、神の領域なのか?!(笑)
私は、怖くて絶対なんて言えません。。。。

話が逸れましたが。。。。
走向・傾斜は、このように測定します。
さきほどの写真の面に当てています。
断層面なので、きれいな面をなし、クリコンを当てやすいのです。
測定は面に対してクリノメーター・コンパスを置く(沿える)ことで行います。
そして、水準器(気泡タイプ)をもって水平に保持します。
そしたら、コンパスで方位を読みます。
このまま読んでもいいし、固定ピンを押して固定した状態で手元にもってきて読んでもいい。
その後、先ほど測定した水平方向に直交する方向の角度を読みます。
写真は無いですが、クリノメーター・コンパスを立てて面に沿わせます。
コンパス内のブラブラする部分で角度を読めます。
擁壁の前面勾配を読んだりするのにも使えます。
この測定結果を図面に落とします。
例えば「N45°E 45°S」。
北西45°方向に面が走り、南側へ45°の勾配で落ちる傾斜をなしている。
そう読めます。
図面に落とすときは、層理面なのか節理面なのか、はたまた断層面なのか等の区別がつくように表示の形状が微妙に異なります。
まぁ、その先を(あるいはもっと詳しく)知りたい人は、この道に弟子入りしてください。
そう、斜面防災関連の仕事をする会社や人に弟子入り(入社)。
アルバイトでもいいや(笑)
なんで地質調査の道具で斜面防災関連って??
そう、純粋な地質調査だけする会社は極論、無いので。。。。。
研究機関とかならあるかな?
そんなことで、斜面防災関連の会社へ行くのが一番なのかな?って個人的思いです。
また話が逸れた(笑)
本題に戻します。
斜面防災の仕事は、調査サイドにしろ、設計サイドにしろ現場の状況をモデル化することが重要です。
いくら現地状況を把握しても、それを設計(解析)するモデル化ができなければ成果品の価値が小さくなってしまいます。
崩壊機構を想定し、既に起こった崩壊の過程、そして、今後生じうる崩壊等のリスクを抽出(想定、指摘)することが重要なプロセスなのです。
更に、それを断面図として具現化?(モデル化)する。
このモデル断面図を基にして、安定計算(解析)を行い、対策工を検討、設計していくのです。
その最も大事な芯の部分になるわけですから、とっても重要な部分なのです。
難しいモノを簡単なモデルで示せる技術者ほど素晴らしと私は思っています。
逆に、簡単なモノを小難しく言う技術者は、アカンです(笑)
そして、当然ながら、そのリスク抽出が間違っていた(ちょっと納得できない)となると、全部やり直しですからね。。。。悲惨です。
なので!
その技量を磨いていくのが斜面防災の技術者(調査屋であれ設計屋であれ)の道でしょう。
斜面防災分野に限らずでしょうけれども。。。。。
ひとつの例として。
そして最後になりますが、タイトルにあるモデル化に必要な情報を取得するためにクリノメーター(コンパス)で地質情報等を取得するのです。
なので、闇雲に走向・傾斜なんかを測れば良いという訳でもないのです。
もちろん、闇雲にたくさん測って後で取捨選択するのもアリですけど。。。。
現場で、概ね、対象の状況なるものの推測がついている状態で、測るのが理想でしょう。
だいたいの斜面防災技術者は、現場を見た段階で、概ね現場状況を理解してしまうでしょう。
そんなもんだと思います。
その推測(理解)した現場の内容の証拠(根拠)なるものを地表踏査や、地質調査で取得し、武装(モデルの根拠取得)していくのです。
そのひとつが地表踏査によるクリノメーター(コンパス)での情報取得になるわけです。
当然ながら、出番のない現場だってたくさんあります。
だよね?(笑)
違ってたら御免なさい。
そんなことで。。。。
この道(斜面防災関連)にいる人は、もしかしたら、どこかで私と遭遇するかもしれませんね。
その時を楽しみにして待ってます(笑)
変な〆方でスミマセン。
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