「斜面の竹林評価」
春ですね。
気持ち良い陽気と年度末明けのユッタリとした雰囲気がマッチします。
そんな穏やかな?毎日ですが(笑)
先日、タケノコ掘りに行ってきました。



竹林の中には作業路があります。
林道でいうとハーベスタなんかが入っていく作業路です。
竹林だとタケノコ掘りに使う作業路です。

切り欠いた断面は鉛直でも自立しています。
これは粘着力cが強いから。
粘性土は直勾配で自立可能。
これは、【労働安全衛生規則】からも読み取れます。
つまり、岩盤と堅い粘土は90度でいける。
まぁ写真の粘性土は堅いとは言えないかも知れないけど、高さが1m未満なんで。
数量算出要領に示されている土工の勾配のうち、1m未満の床掘(主として作業土工)の場合は直掘り(90度)が可能です。
そんなことから、直立の切りっぱなし法面(土羽)で作業路は成立していると思われます。
ちと、脱線しましたね。
ですが、粘性土質の山(斜面)であることは解りました。
表土が剥がれている部分をみれば細粒分を主体としていることは明らかでした。
経験的にですが、実は竹林がある斜面は粘性土質が多いです。
もちろん、礫なども混入していますがね。
粘性土質だと、タケノコの成長にもよく、掘りやすいので傷もつけにくいとか。
そして水が豊富だと竹も成長しやすいのではないでしょうか。
すべて関連しているってことかもね。
■竹林は斜面に対してプラスなのマイナスなの?
さて、竹林は斜面に対してプラスなのかマイナスなのか?
どうなんでしょう。
写真でみるとこんな感じです。
竹林の斜面。



見た目、問題はなさそうです。
結構な勾配(30度~40度)を示していますが、特に段差やガリー浸食もなく、安定していると言えそうです。
一方で、先ほど竹林の土質が粘性土質が多いと書きましたが、下の写真のように地下水が豊富だったりもします。
これは、イノシシが掘り起こして泥浴びしたり、水飲み場として利用したりしている痕跡です。
足跡が薄っすら残っています。
掘り返した場所は、粘性土が泥濘化してドロドロです。

ですので、土質的には斜面安定に不利きな土質と言えるでしょう。
表流水が集中すればガリー浸食も生じるでしょうし、地下水位(含水領域)が上がれば表層崩壊も生じやすい土質でしょう。
では、なぜ安定しているように見えるのか?
これは、竹の地下茎が張り巡らされているからであると考えられます。
つまり、地中の深さ50cm以内くらいに引っ張り強度のある部材が四方八方に張り巡らされているって感じでしょう。
ですので、斜面が滑落したりしないのです。
これは、あくまで表層(浅い表層崩壊)の話です。
深部で滑る地すべりとかでは竹の地下茎のチカラなど何の影響もないでしょう。
つまり、土質的には安定勾配(標準勾配)よりも急であったとしても、竹の地下茎が法面抑制工のような働きをすることで、元々のポテンシャルを超えるような急勾配でも安定性を維持させていると言えるのではないでしょうか?
そう、竹は天然の法面工なのだと思います。
あくまでも、表層崩壊に対しての効果としてですが。
したがって、竹は斜面安定上(あくまで表層)は、プラス側の立ち位置であると結論付けられます。
竹の繁茂しやすい場所が、粘性土質であったり地下水が豊富であったりするので、「竹がある場所は危険だ」なんて昔の人の話があったりもしますが、これは竹林が危ないのではなくて、竹が繁茂するようなシチュエーションの場所(土質、地下水条件など)があぶないということなのです。
タマゴが先かニワトリが先か論と似てますね。
竹があるから危なくなったのではなく、あぶない(竹が好む粘土質で地下水豊富な)場所だから竹が生えた。そんな感じ。
若い人で、竹が危ないと誤認している人が稀に居るので、注意してあげましょう。
少なくとも、竹自体が斜面を滑らせる(崩壊させる)ということは無いだろうと思います。
■竹のマイナス面があるとしたら?
竹のマイナス面?
さっきの話だと、プラスしかなくね?
そんな感じでしょうか。
ですが、私の経験で、いくつか問題はあります。
ひとつ目。
法面構造物を破壊します。
□200未満の法枠などであったら梁を押し上げ破損させたりします。
写真は無いのですが、過去にそのような現場は何度も見ました。
現場吹付法枠で連続構造であっても、破損します。
プレキャスト法枠なんかだと、ボッコボコにやられています。
見た事はないですが、プレキャスト受圧板なんかだったら、タケノコが下から上がってきたらどうなるのでしょう?受圧板が浮き上がる?
どうなんでしょう?見てみたいものです。
あとは施工面。そもそも法面工を施工しようと表土剥ぎ取りしようとしたら竹の浅い根も邪魔になったりするでしょう。
つまり、法面構造物の施工や、その後の構造物の維持管理に対してはマイナスしかない。
ふたつ目。
法面に竹が侵入したり、再生したりすると、そこは道路法面や民家等の裏法面になったりとシチュエーションがリスク要素をもった場所である可能性が高いです。
つまり、竹が伸びて、倒れてくる可能性があるということ。
それにより、家屋や電線破断、道路であれば交通への支障が生じます。
管理上の問題というヤツですね。
そんなマイナス面は、設計検討段階から考慮しておく必要はあるでしょうね。
これ、実は、いつも私は悩んでいます。
竹林法面での対策工選定で、非常に悩むのです。いつも。
ケースバイケースで考えてはいますが。。。。
あんまりプレキャスト受圧板(地山補強土系の樹脂受圧板など)や小断面の法枠は使いたくないなと思っています。
竹林だと、やっぱり「プレストネット工法」なんかで、鉄筋挿入工と鋼材法面工の組み合わせ工法が最適なんだと思います。
あくまでも斜面形状を変えない場合、ってことですよ。
切土してしまうなら、竹は、一旦消滅しますから、外周部で竹が残る場合の進入だけは配慮しないといけないでしょうけれども。
そんなことで、ケースバイケースであろうとも、竹は法面対策工を左右するような存在であることが確かなのです。
これ、もしかしたら、いちばん言いたかった事かも(笑)
■手入れされた竹林は美しい
余談ですが。。。。
枯れた竹の山積する手入れされていない竹林は、歩きにくい。
現地踏査で、荒廃竹林や、伐採竹を放置している竹林を歩くと大変苦労します。
その疲労度は急斜面で落石発生源調査をするよりもハードでしょう。

一方で、手入れされた竹林は、極めて歩きやすいです。
竹が適度にあり、これらをサポートに活用しながら歩けますので、極めて楽です。
ですが、歩きやすい竹林では、あまり斜面崩壊などは生じないでしょう。
勾配がそもそも緩かったりしますので。。。。
例えば京都の竹林の道?観光スポットなんか。
あれ、ほぼ平地ですよね?土砂災害は発生しないでしょう。恐らくですが。
観光エリアから離れて勾配のある斜面があれば、そこは要注意かも知れませんが。
あとは、あるとしたら、地すべりブロック内の竹林でしょうか。
地すべりブロックは一般的に広いので、その中の緩傾斜部で竹林があったりします。

それはさておき、手入れされた竹林は美しい。
間違いない。
写真の緩やかな竹林で土砂災害があるとしたら、やはり地すべりでしょうか。
先に述べましたが、地すべりブロック内には、結構、竹林ありますから。
粘性土質、地下水豊富、という条件が竹林を繁茂させるのでしょう。
いずれにしても、一定以上の勾配を有する斜面における竹林は土砂災害防止の観点からみて要注意な場所であることに間違いありません。
でも、竹林って、なんか風流ですよね。
確実なる余談だったな。。。
春ですね。
気持ち良い陽気と年度末明けのユッタリとした雰囲気がマッチします。
そんな穏やかな?毎日ですが(笑)
先日、タケノコ掘りに行ってきました。

タケノコ掘りに没頭するのか?と思いきや。。。。
なぜかタケノコ掘り現場で、斜面防災設計で竹林の斜面がしばしば出てきて、どう評価するか悩むことがあるってのを思い出しました。
なぜかタケノコ掘り現場で、斜面防災設計で竹林の斜面がしばしば出てきて、どう評価するか悩むことがあるってのを思い出しました。
遊びに行っているのに、仕事の話を思い出すとは。。。。不覚!(笑)
これも患っているサラリーマン病の症状かも知れません。。。。
(ブラックなサラリーマンは、常に仕事の事を考えていないと業務を処理しきれない)
(ブラックなサラリーマンは、常に仕事の事を考えていないと業務を処理しきれない)
そんな無駄話はさておき、本題に入りましょう。
ですが、この話(竹林の評価)は非常に難しい。
なら書くなよ!と言われそうですが。。。。
なんともファジーな内容になってしまいます。
そのあたりは、ご了承のうえ読んでください(笑)
ですが、この話(竹林の評価)は非常に難しい。
なら書くなよ!と言われそうですが。。。。
なんともファジーな内容になってしまいます。
そのあたりは、ご了承のうえ読んでください(笑)
■斜面でみられる竹林と斜面の土質状況
土砂災害防止対策関連ならびに斜面防災設計関連では竹林が対象になることがしばしばあります。
個人的な感覚ですが、急傾斜地崩壊防止区域なんかには結構な割合で竹林があったりします。
概ね、斜面の植生は植林(杉檜類)か広葉樹(自然)か、竹林がベースでしょう。
これに低木から高木までの高さ要素が加わる感じ。
たまに草地もありますが、それは以前は耕作地だったとかの土地(斜面)でしょう。
田舎に行くと、30度以上の傾斜に段々畑は珍しくないですから。
そんな植生タイプのひとつである竹林ですが、竹林があると何が問題になるのでしょうか?
あくまで私の経験と知識からですが、見て行きましょう。
まずは、竹林の状況をみます。
次の写真が竹林です。
普通の竹林。
手入れされた竹林。
土砂災害防止対策関連ならびに斜面防災設計関連では竹林が対象になることがしばしばあります。
個人的な感覚ですが、急傾斜地崩壊防止区域なんかには結構な割合で竹林があったりします。
概ね、斜面の植生は植林(杉檜類)か広葉樹(自然)か、竹林がベースでしょう。
これに低木から高木までの高さ要素が加わる感じ。
たまに草地もありますが、それは以前は耕作地だったとかの土地(斜面)でしょう。
田舎に行くと、30度以上の傾斜に段々畑は珍しくないですから。
そんな植生タイプのひとつである竹林ですが、竹林があると何が問題になるのでしょうか?
あくまで私の経験と知識からですが、見て行きましょう。
まずは、竹林の状況をみます。
次の写真が竹林です。
普通の竹林。
手入れされた竹林。


竹林の中には作業路があります。
林道でいうとハーベスタなんかが入っていく作業路です。
竹林だとタケノコ掘りに使う作業路です。

切り欠いた断面は鉛直でも自立しています。
これは粘着力cが強いから。
粘性土は直勾配で自立可能。
これは、【労働安全衛生規則】からも読み取れます。
こんな感じで掘削高さと最急(限度)勾配が設定されています。
岩盤・堅い粘土 5m未満=90°
5m以上=75°
そのほか 2m未満=90°
2~5m未満=75°
5m以上=60°
つまり、岩盤と堅い粘土は90度でいける。
まぁ写真の粘性土は堅いとは言えないかも知れないけど、高さが1m未満なんで。
数量算出要領に示されている土工の勾配のうち、1m未満の床掘(主として作業土工)の場合は直掘り(90度)が可能です。
そんなことから、直立の切りっぱなし法面(土羽)で作業路は成立していると思われます。
ちと、脱線しましたね。
ですが、粘性土質の山(斜面)であることは解りました。
表土が剥がれている部分をみれば細粒分を主体としていることは明らかでした。
経験的にですが、実は竹林がある斜面は粘性土質が多いです。
もちろん、礫なども混入していますがね。
粘性土質だと、タケノコの成長にもよく、掘りやすいので傷もつけにくいとか。
そして水が豊富だと竹も成長しやすいのではないでしょうか。
すべて関連しているってことかもね。
■竹林は斜面に対してプラスなのマイナスなの?
さて、竹林は斜面に対してプラスなのかマイナスなのか?
どうなんでしょう。
写真でみるとこんな感じです。
竹林の斜面。



見た目、問題はなさそうです。
結構な勾配(30度~40度)を示していますが、特に段差やガリー浸食もなく、安定していると言えそうです。
一方で、先ほど竹林の土質が粘性土質が多いと書きましたが、下の写真のように地下水が豊富だったりもします。
これは、イノシシが掘り起こして泥浴びしたり、水飲み場として利用したりしている痕跡です。
足跡が薄っすら残っています。
掘り返した場所は、粘性土が泥濘化してドロドロです。

ですので、土質的には斜面安定に不利きな土質と言えるでしょう。
表流水が集中すればガリー浸食も生じるでしょうし、地下水位(含水領域)が上がれば表層崩壊も生じやすい土質でしょう。
では、なぜ安定しているように見えるのか?
これは、竹の地下茎が張り巡らされているからであると考えられます。
つまり、地中の深さ50cm以内くらいに引っ張り強度のある部材が四方八方に張り巡らされているって感じでしょう。
ですので、斜面が滑落したりしないのです。
これは、あくまで表層(浅い表層崩壊)の話です。
深部で滑る地すべりとかでは竹の地下茎のチカラなど何の影響もないでしょう。
つまり、土質的には安定勾配(標準勾配)よりも急であったとしても、竹の地下茎が法面抑制工のような働きをすることで、元々のポテンシャルを超えるような急勾配でも安定性を維持させていると言えるのではないでしょうか?
そう、竹は天然の法面工なのだと思います。
あくまでも、表層崩壊に対しての効果としてですが。
したがって、竹は斜面安定上(あくまで表層)は、プラス側の立ち位置であると結論付けられます。
竹の繁茂しやすい場所が、粘性土質であったり地下水が豊富であったりするので、「竹がある場所は危険だ」なんて昔の人の話があったりもしますが、これは竹林が危ないのではなくて、竹が繁茂するようなシチュエーションの場所(土質、地下水条件など)があぶないということなのです。
タマゴが先かニワトリが先か論と似てますね。
竹があるから危なくなったのではなく、あぶない(竹が好む粘土質で地下水豊富な)場所だから竹が生えた。そんな感じ。
若い人で、竹が危ないと誤認している人が稀に居るので、注意してあげましょう。
少なくとも、竹自体が斜面を滑らせる(崩壊させる)ということは無いだろうと思います。
■竹のマイナス面があるとしたら?
竹のマイナス面?
さっきの話だと、プラスしかなくね?
そんな感じでしょうか。
ですが、私の経験で、いくつか問題はあります。
ひとつ目。
法面構造物を破壊します。
□200未満の法枠などであったら梁を押し上げ破損させたりします。
写真は無いのですが、過去にそのような現場は何度も見ました。
現場吹付法枠で連続構造であっても、破損します。
プレキャスト法枠なんかだと、ボッコボコにやられています。
見た事はないですが、プレキャスト受圧板なんかだったら、タケノコが下から上がってきたらどうなるのでしょう?受圧板が浮き上がる?
どうなんでしょう?見てみたいものです。
あとは施工面。そもそも法面工を施工しようと表土剥ぎ取りしようとしたら竹の浅い根も邪魔になったりするでしょう。
つまり、法面構造物の施工や、その後の構造物の維持管理に対してはマイナスしかない。
ふたつ目。
法面に竹が侵入したり、再生したりすると、そこは道路法面や民家等の裏法面になったりとシチュエーションがリスク要素をもった場所である可能性が高いです。
つまり、竹が伸びて、倒れてくる可能性があるということ。
それにより、家屋や電線破断、道路であれば交通への支障が生じます。
管理上の問題というヤツですね。
そんなマイナス面は、設計検討段階から考慮しておく必要はあるでしょうね。
これ、実は、いつも私は悩んでいます。
竹林法面での対策工選定で、非常に悩むのです。いつも。
ケースバイケースで考えてはいますが。。。。
あんまりプレキャスト受圧板(地山補強土系の樹脂受圧板など)や小断面の法枠は使いたくないなと思っています。
竹林だと、やっぱり「プレストネット工法」なんかで、鉄筋挿入工と鋼材法面工の組み合わせ工法が最適なんだと思います。
あくまでも斜面形状を変えない場合、ってことですよ。
切土してしまうなら、竹は、一旦消滅しますから、外周部で竹が残る場合の進入だけは配慮しないといけないでしょうけれども。
そんなことで、ケースバイケースであろうとも、竹は法面対策工を左右するような存在であることが確かなのです。
これ、もしかしたら、いちばん言いたかった事かも(笑)
■手入れされた竹林は美しい
余談ですが。。。。
枯れた竹の山積する手入れされていない竹林は、歩きにくい。
現地踏査で、荒廃竹林や、伐採竹を放置している竹林を歩くと大変苦労します。
その疲労度は急斜面で落石発生源調査をするよりもハードでしょう。

一方で、手入れされた竹林は、極めて歩きやすいです。
竹が適度にあり、これらをサポートに活用しながら歩けますので、極めて楽です。
ですが、歩きやすい竹林では、あまり斜面崩壊などは生じないでしょう。
勾配がそもそも緩かったりしますので。。。。
例えば京都の竹林の道?観光スポットなんか。
あれ、ほぼ平地ですよね?土砂災害は発生しないでしょう。恐らくですが。
観光エリアから離れて勾配のある斜面があれば、そこは要注意かも知れませんが。
あとは、あるとしたら、地すべりブロック内の竹林でしょうか。
地すべりブロックは一般的に広いので、その中の緩傾斜部で竹林があったりします。

それはさておき、手入れされた竹林は美しい。
間違いない。
写真の緩やかな竹林で土砂災害があるとしたら、やはり地すべりでしょうか。
先に述べましたが、地すべりブロック内には、結構、竹林ありますから。
粘性土質、地下水豊富、という条件が竹林を繁茂させるのでしょう。
いずれにしても、一定以上の勾配を有する斜面における竹林は土砂災害防止の観点からみて要注意な場所であることに間違いありません。
でも、竹林って、なんか風流ですよね。
確実なる余談だったな。。。
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