「抑制工と抑止工」
土砂災害の形態のひとつである「地すべり」の対策工についてです。
土砂災害の種類(形態)は大きく3つ。
これが基本です。
・崖崩れ(斜面崩壊・落石)
・地すべり
・土石流
今回は、この中の「地すべり」対策についてです。
地すべり対策において、対策工法は大きく二つに分けられます。
それが、「抑制工」と「抑止工」です。
基本中の基本をおさらいです。
道路土工 切土工・斜面安定工指針(H21.6)P.404に分類があります。
もちろん、河川砂防技術基準なんかも同様な分類になってます。
■抑制工
地表水排除工(水路工,浸透防止工)
地下水排除工
浅層地下水排除工(暗渠工,明暗渠工,横ボーリング工)
深層地下水排除工(集水井工,排水トンネル工,横ボーリング工)
地下水遮断工(薬液注入工,地下水遮水壁工)
排土工
押え盛土工
河川構造物(堰堤工,床固工,水制工,護岸工)
■抑止工
杭工
杭工(鋼管杭工)
シャフト工(深礎工等)
グラウンドアンカー工
こんなところです。
抑制工:地形や地下水などの環境を変化させることで安定度を向上させる工法。
抑止工:チカラで止めにいく工法。
脱線すると。。。。
抑制工:トキ(柔の拳)
抑止工:ラオウ(剛の拳)
です。
これらの工法を最適に組み合わせるのが一般的です。
論文調に言うならば。。。。
単独ないし複数を効果的に組み合わせて計画します。
一般的には抑制工を先行して抑止工でトドメをさします。
また、抑止工は滑動中のすべりには施工できないので仮設押え盛土を先行する場合もあります。
このほか、大規模地すべりでは抑止工に限界があるので抑制工のみとなる場合もあります。
一概に、コレならコレって言えない。
まさにケースバイケース。
安定解析や安全率との戦いなのです。
もちろん、逐次導入される対策工の効果判定も踏まえつつの。
これらは建設コンサルタント技術者の、エンジニアの腕の見せどころでもあります。
でも、地すべり対策って言いつつも、抑止工は道路法面なんかでも多用されてます。
そう、小規模な斜面崩壊防止対策では、抑止工がメインですよ。
切土補強土工(鉄筋挿入工)なんかも抑止工です。
確実に止めるってのが要求されるし、急勾配切土なんかで地下水抜いても足しにならないのが現実なので。。。。
どうしてもチカラで止めないと仕方が無いのです。
以下に、代表的な工法を紹介します。
抑制工、抑止工それぞれで。
■集水井工(抑制工)
地面に直径3mほどの立坑を掘り、そこから横ボーリング工で地下水を抜きます。
写真は、その立坑を施工している最中です。
ライナープレートの円が集水井工です。
カニクレーンが居る貴重な?写真でもあります(笑)

立坑の中はこんな感じ。
底に泥溜めがあって水が張ってあります。
1~2mです。
巻き立てコンクリートで形成されています。
そのへんから排水ボーリング工が地表へ向けて設置されています。
5°くらいの傾斜でφ90mmくらいのガス管が多いです。

立坑の出入りはタラップが多いです。
現在は安全対策としてリングが設置されています。
昔のは、これ、無くて。。。。恐怖でしたね。

井内 横ボーリング工。
地表からの横ボーリング工と同じ。
φ50mmくらいの塩ビパイプが仰角5度くらいで入っている。
先端5~10mピッチで扇状に平面配置するのが一般的。

■排水トンネル工(抑制工)
抑制工でもかなり規模が大きいものに排水トンネルがあります。
私が見た事あるのは「亀の瀬地すべり」です。
ここは、一般の人でも近づける場所にあります。
時々、ツアーなんかも開催されて一般の人が中に入ることもできるようです。
中を走ると集水井がたくさん見えます。
そして、あちこちに排水トンネル工の入り口も見えます。
平時でも、近づける場所の写真を添付します。
排水トンネル工の入り口です。
亀の瀬だから、カメの絵が描かれています。

平時は中に入れませんが、フェンスなので中は見えます。
網目から撮った写真を添付します。

ツアー用の説明板がありますね(右手)。
この奥に横ボーリング工がたくさん配置されているのです。
集水井工と連結されている場所もあるとか。
そしてトンネルの長さは数百メートルに及びます。
奥から排水された地下水がジャンジャン流れてきています。
興味がある人は、国土交通省のホームページを見てみてください。
■グラウンドアンカー工(抑止工)
グラウンドアンカー工は、よく道路法面でみかけるヤツです。
以下に、珍し目のものばかりですが、写真を紹介します。
私の集めた珍コレクション。
大仏のアタマ型。
ロケットランチャー発射口にもみえる。

現場打ち受圧板。
なぜか1個、ズレている。
不思議。

法枠アンカーの中に現場打ち受圧板アンカーが足されたもの。
恐らく地耐力が不足したものと推察されます。

どうです?
概ね理解できました?
技術士試験でも出る基本中の基本の話です。
分類と特徴を述べよ的な問題ですね。
土砂災害の形態のひとつである「地すべり」の対策工についてです。
土砂災害の種類(形態)は大きく3つ。
これが基本です。
・崖崩れ(斜面崩壊・落石)
・地すべり
・土石流
今回は、この中の「地すべり」対策についてです。
地すべり対策において、対策工法は大きく二つに分けられます。
それが、「抑制工」と「抑止工」です。
基本中の基本をおさらいです。
道路土工 切土工・斜面安定工指針(H21.6)P.404に分類があります。
もちろん、河川砂防技術基準なんかも同様な分類になってます。
■抑制工
地表水排除工(水路工,浸透防止工)
地下水排除工
浅層地下水排除工(暗渠工,明暗渠工,横ボーリング工)
深層地下水排除工(集水井工,排水トンネル工,横ボーリング工)
地下水遮断工(薬液注入工,地下水遮水壁工)
排土工
押え盛土工
河川構造物(堰堤工,床固工,水制工,護岸工)
■抑止工
杭工
杭工(鋼管杭工)
シャフト工(深礎工等)
グラウンドアンカー工
こんなところです。
抑制工:地形や地下水などの環境を変化させることで安定度を向上させる工法。
抑止工:チカラで止めにいく工法。
脱線すると。。。。
抑制工:トキ(柔の拳)
抑止工:ラオウ(剛の拳)
です。
これらの工法を最適に組み合わせるのが一般的です。
論文調に言うならば。。。。
単独ないし複数を効果的に組み合わせて計画します。
一般的には抑制工を先行して抑止工でトドメをさします。
また、抑止工は滑動中のすべりには施工できないので仮設押え盛土を先行する場合もあります。
このほか、大規模地すべりでは抑止工に限界があるので抑制工のみとなる場合もあります。
一概に、コレならコレって言えない。
まさにケースバイケース。
安定解析や安全率との戦いなのです。
もちろん、逐次導入される対策工の効果判定も踏まえつつの。
これらは建設コンサルタント技術者の、エンジニアの腕の見せどころでもあります。
でも、地すべり対策って言いつつも、抑止工は道路法面なんかでも多用されてます。
そう、小規模な斜面崩壊防止対策では、抑止工がメインですよ。
切土補強土工(鉄筋挿入工)なんかも抑止工です。
確実に止めるってのが要求されるし、急勾配切土なんかで地下水抜いても足しにならないのが現実なので。。。。
どうしてもチカラで止めないと仕方が無いのです。
以下に、代表的な工法を紹介します。
抑制工、抑止工それぞれで。
■集水井工(抑制工)
地面に直径3mほどの立坑を掘り、そこから横ボーリング工で地下水を抜きます。
写真は、その立坑を施工している最中です。
ライナープレートの円が集水井工です。
カニクレーンが居る貴重な?写真でもあります(笑)

立坑の中はこんな感じ。
底に泥溜めがあって水が張ってあります。
1~2mです。
巻き立てコンクリートで形成されています。
そのへんから排水ボーリング工が地表へ向けて設置されています。
5°くらいの傾斜でφ90mmくらいのガス管が多いです。

立坑の出入りはタラップが多いです。
現在は安全対策としてリングが設置されています。
昔のは、これ、無くて。。。。恐怖でしたね。

井内 横ボーリング工。
地表からの横ボーリング工と同じ。
φ50mmくらいの塩ビパイプが仰角5度くらいで入っている。
先端5~10mピッチで扇状に平面配置するのが一般的。

■排水トンネル工(抑制工)
抑制工でもかなり規模が大きいものに排水トンネルがあります。
私が見た事あるのは「亀の瀬地すべり」です。
ここは、一般の人でも近づける場所にあります。
時々、ツアーなんかも開催されて一般の人が中に入ることもできるようです。
中を走ると集水井がたくさん見えます。
そして、あちこちに排水トンネル工の入り口も見えます。
平時でも、近づける場所の写真を添付します。
排水トンネル工の入り口です。
亀の瀬だから、カメの絵が描かれています。

平時は中に入れませんが、フェンスなので中は見えます。
網目から撮った写真を添付します。

ツアー用の説明板がありますね(右手)。
この奥に横ボーリング工がたくさん配置されているのです。
集水井工と連結されている場所もあるとか。
そしてトンネルの長さは数百メートルに及びます。
奥から排水された地下水がジャンジャン流れてきています。
興味がある人は、国土交通省のホームページを見てみてください。
■グラウンドアンカー工(抑止工)
グラウンドアンカー工は、よく道路法面でみかけるヤツです。
以下に、珍し目のものばかりですが、写真を紹介します。
私の集めた珍コレクション。
大仏のアタマ型。
ロケットランチャー発射口にもみえる。

現場打ち受圧板。
なぜか1個、ズレている。
不思議。

法枠アンカーの中に現場打ち受圧板アンカーが足されたもの。
恐らく地耐力が不足したものと推察されます。

どうです?
概ね理解できました?
技術士試験でも出る基本中の基本の話です。
分類と特徴を述べよ的な問題ですね。
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