「流木止」
流木対策工(砂防事業のひとつ)
近年、流木が被害をもたらす、あるいは被害を拡大させる事例が多くなっている。
土石流に流木が混ざり、周りのものを薙ぎ払っていく。
流出した流木が、橋脚に引っかかって河川を氾濫させる。
そんな被害が頻発している。
豪雨災害では、必ずつきまとう。
なぜ???
それは、山地が荒廃しているから。
治山や砂防事業で手当てしているけれど、そんなんじゃ追いつかないスピードで荒廃している。
林業の衰退で、林地が放棄されているのが原因なんだろうけれども。
そもそも、山を切り開き、スギやヒノキを植えた時点で、荒廃ははじまっていたんだろう。
林相を変えてしまったことで、日本の山地はリズムを崩してしまったに違いない。
間伐材を林地に放置したままにしていたのも、流木流出を助長したはず。
だから、今。
必死こいて流木対策している。
今出来る事、林地を手入れする事。
荒廃を抑制すること。
そして、流木対策工を整備すること。
もちろん、ハザードマップで危険を知らしめ、ソフト対策することも並行して。
流木対策って、お金かかるから、たぶん、追いつかない。
こんな感じで、結構、重厚な対策になる。

基本、砂防堰堤にセットになる。
不透過型砂防堰堤の前庭工に流木止を設置したもの。
これが結構多いかな。
土石流と流木を止められる。

前庭工で流木を補足する。
過去には、砂防堰堤単騎で流木も補足できるとされていたけれど、今は、何割かオーバフローしてしまうという前提で設計しないといけない。
浮くからね。
越流時に、流木が流れるって論理だと思う。
不透過型堰堤では前庭工で補足するから、流木の量が多いと前庭工の面積が増えて大きくなる。



この前庭工なんて、けっこう、長細い。
面積を確保するから、こうなる。
流木が水に浮いて、水面一杯に敷き詰められた状態で補足可能流木量を算定する。
面積分、溜められるって計算。
面白いでしょ?
あとは、流出流木量がいくらになるか。
それは、渓流調査で、コドラート調査によって算出するから、結構大変よ。
土砂量調査と一緒にやるから、流域面積が大きいと、しんど過ぎる。
私はもう、行きたくない(笑)
あと、本川においても流木を補足する施設は設置される。
こんな感じ。

結構、流木が引っかかっているけれど、一定状態で除去しないと意味が無くなる。

あとは、最近は、透過型堰堤が主流になっている。
基本は、この形状を採用するようベクトルが向いている。
この形式は、通常時は土砂を流す、いわゆる流砂系にやさしい。
水生動物なんかも、行き来できるようになっている。
だが、住宅地の裏なんかでは、不評。
土砂が漏れるんじゃないかい!?って、結構な割合で不評。
でも、コストや自然環境を踏まえると、コレが一番いいのは確か。


この重厚な鋼製スリットで、土石流や流木を一網打尽にする。
この形式は、流木も全量補足可能とされるので、前庭工が不要となる。
流木が浮いた状態で越流することが無いからね。スリットで水位は上がらないから。
この点も、推奨される要因だろうと思う。
前庭工で流木溜めるって、結構、大変だと思うから。

鋼製スリットの足元は、上下流で連続している。
歩いて隙間を行き来できたりする。
人が行き来できるから、動物や魚類も可能。
最後に、もう一例。
再び不透過型と前庭工流木止タイプを紹介するけど、やっぱり前出の透過型のほうが、合理的なんだろうと思う。

前庭工の幅が異様に広い。
これは、下流側に用地が広げられないため、幅を広くしたんだろうと思う。
面積を確保しないといけないから。
幅か、長さか、いずれかを大きくしないと、面積は増えない。
そんなトコロが、結構、大変なんですよね。
不透過型プラス前庭工の流木止ってのは。
私は、もう、砂防堰堤の設計には携わることは無いでしょうが、これらの施設を設計したり、設計のために必要な現地調査を泥まみれになって実施している人たちが居るってことは、知っててあげると幸いです。
日本の国土は、7割が山地です。
残り3割のなかで、人口が集中する平野部はわずか1/3。
全体で見ると、国土の僅か10%ほどなのです。
だから、大部分を占める側の山地の荒廃は、これからの日本の自然災害と切っても切れない関係性になるんです。
山を、大切にしなければならない。
そんな関係性にも、興味を持っていただければ幸いです。
■森(林地)は人間にとっても大事なんです
最後に
蛇足かも知れませんが、
たぶん、熊の問題も、鹿の問題も、猪の問題も、なんとなく似たような話だと思います。
海産物の育成にも、山地が関わっているとか。
流砂系を途絶させると、海産物が減少する。
山の栄養が、海に行かないから。
だから、山地(林地)は、ものすごく大切。
治山事業って、林野庁がやっているけど、砂防とはちょっと志向が違う。
大まかに言うと、砂防は出てくるものを防ぐ。
治山は、出ないようにする。あるいは林地が荒廃しないようにする。
それらのコンビネーションで、私たちの生活が成り立っているってことを知ることも大事なのです。
ですが全てを出さない(流さない)ようにしてしまうと、養分が回っていかなくなるんです。
河、海へ、栄養が流れていくことが重要なのです。
フラッシュ放流なんかの試みもされていますが、一部の河川やダムでの話です。
もっと、自然本来の連鎖に戻していってやらないとならない。
もちろん、人間が安全に暮らせるようにしながら。。。。。
つまり、それが共生の道なのでしょう。
それをみんなが知っていると、これからの日本に、プラスになると思うので。
私からも、よろしくお願い申し上げます。
流木対策工(砂防事業のひとつ)
近年、流木が被害をもたらす、あるいは被害を拡大させる事例が多くなっている。
土石流に流木が混ざり、周りのものを薙ぎ払っていく。
流出した流木が、橋脚に引っかかって河川を氾濫させる。
そんな被害が頻発している。
豪雨災害では、必ずつきまとう。
なぜ???
それは、山地が荒廃しているから。
治山や砂防事業で手当てしているけれど、そんなんじゃ追いつかないスピードで荒廃している。
林業の衰退で、林地が放棄されているのが原因なんだろうけれども。
そもそも、山を切り開き、スギやヒノキを植えた時点で、荒廃ははじまっていたんだろう。
林相を変えてしまったことで、日本の山地はリズムを崩してしまったに違いない。
間伐材を林地に放置したままにしていたのも、流木流出を助長したはず。
だから、今。
必死こいて流木対策している。
今出来る事、林地を手入れする事。
荒廃を抑制すること。
そして、流木対策工を整備すること。
もちろん、ハザードマップで危険を知らしめ、ソフト対策することも並行して。
流木対策って、お金かかるから、たぶん、追いつかない。
こんな感じで、結構、重厚な対策になる。

基本、砂防堰堤にセットになる。
不透過型砂防堰堤の前庭工に流木止を設置したもの。
これが結構多いかな。
土石流と流木を止められる。

前庭工で流木を補足する。
過去には、砂防堰堤単騎で流木も補足できるとされていたけれど、今は、何割かオーバフローしてしまうという前提で設計しないといけない。
浮くからね。
越流時に、流木が流れるって論理だと思う。
不透過型堰堤では前庭工で補足するから、流木の量が多いと前庭工の面積が増えて大きくなる。



この前庭工なんて、けっこう、長細い。
面積を確保するから、こうなる。
流木が水に浮いて、水面一杯に敷き詰められた状態で補足可能流木量を算定する。
面積分、溜められるって計算。
面白いでしょ?
あとは、流出流木量がいくらになるか。
それは、渓流調査で、コドラート調査によって算出するから、結構大変よ。
土砂量調査と一緒にやるから、流域面積が大きいと、しんど過ぎる。
私はもう、行きたくない(笑)
あと、本川においても流木を補足する施設は設置される。
こんな感じ。

結構、流木が引っかかっているけれど、一定状態で除去しないと意味が無くなる。

あとは、最近は、透過型堰堤が主流になっている。
基本は、この形状を採用するようベクトルが向いている。
この形式は、通常時は土砂を流す、いわゆる流砂系にやさしい。
水生動物なんかも、行き来できるようになっている。
だが、住宅地の裏なんかでは、不評。
土砂が漏れるんじゃないかい!?って、結構な割合で不評。
でも、コストや自然環境を踏まえると、コレが一番いいのは確か。


この重厚な鋼製スリットで、土石流や流木を一網打尽にする。
この形式は、流木も全量補足可能とされるので、前庭工が不要となる。
流木が浮いた状態で越流することが無いからね。スリットで水位は上がらないから。
この点も、推奨される要因だろうと思う。
前庭工で流木溜めるって、結構、大変だと思うから。

鋼製スリットの足元は、上下流で連続している。
歩いて隙間を行き来できたりする。
人が行き来できるから、動物や魚類も可能。
最後に、もう一例。
再び不透過型と前庭工流木止タイプを紹介するけど、やっぱり前出の透過型のほうが、合理的なんだろうと思う。

前庭工の幅が異様に広い。
これは、下流側に用地が広げられないため、幅を広くしたんだろうと思う。
面積を確保しないといけないから。
幅か、長さか、いずれかを大きくしないと、面積は増えない。
そんなトコロが、結構、大変なんですよね。
不透過型プラス前庭工の流木止ってのは。
私は、もう、砂防堰堤の設計には携わることは無いでしょうが、これらの施設を設計したり、設計のために必要な現地調査を泥まみれになって実施している人たちが居るってことは、知っててあげると幸いです。
日本の国土は、7割が山地です。
残り3割のなかで、人口が集中する平野部はわずか1/3。
全体で見ると、国土の僅か10%ほどなのです。
だから、大部分を占める側の山地の荒廃は、これからの日本の自然災害と切っても切れない関係性になるんです。
山を、大切にしなければならない。
そんな関係性にも、興味を持っていただければ幸いです。
■森(林地)は人間にとっても大事なんです
最後に
蛇足かも知れませんが、
たぶん、熊の問題も、鹿の問題も、猪の問題も、なんとなく似たような話だと思います。
海産物の育成にも、山地が関わっているとか。
流砂系を途絶させると、海産物が減少する。
山の栄養が、海に行かないから。
だから、山地(林地)は、ものすごく大切。
治山事業って、林野庁がやっているけど、砂防とはちょっと志向が違う。
大まかに言うと、砂防は出てくるものを防ぐ。
治山は、出ないようにする。あるいは林地が荒廃しないようにする。
それらのコンビネーションで、私たちの生活が成り立っているってことを知ることも大事なのです。
ですが全てを出さない(流さない)ようにしてしまうと、養分が回っていかなくなるんです。
河、海へ、栄養が流れていくことが重要なのです。
フラッシュ放流なんかの試みもされていますが、一部の河川やダムでの話です。
もっと、自然本来の連鎖に戻していってやらないとならない。
もちろん、人間が安全に暮らせるようにしながら。。。。。
つまり、それが共生の道なのでしょう。
それをみんなが知っていると、これからの日本に、プラスになると思うので。
私からも、よろしくお願い申し上げます。
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